2011年6月26日日曜日

あなたの寿命はのばせる~長寿遺伝子発見~



今日6月12日の「NHK特集」は、”あなたの寿命はのばせる~長寿遺伝子発見~”
という特集でした。

寿命を延ばす遺伝子が発見されたというレポートです。

この遺伝子は誰でも持っていますが、普段は眠っています。その長寿遺伝子はある
方法でスイッチオンできるということです。

そもそも老化の原因の大きな要素は、ミトコンドリアの弱体化と免疫細胞の暴走
だそうです。どちらもそれら自体の劣化(老化)が原因です。

ミトコンドリアは、細胞内のエネルギー工場で、それが数多く活発なら身体も
若々しく活動できますが、老化すると活性酸素を多く出すようになり、身体を傷つけ
ていきます。

免疫細胞も老化すると敵味方の区別ができなくなり、正常な細胞を攻撃するように
なります。その標的になりやすいのが血管内の細胞で、そのため年をとると動脈硬化が
おきやすくなります。

では、長寿遺伝子をスイッチオンする方法とは何か?

それは”カロリー摂取を制限すること”です。

アメリカ・ウィスコンシン大学の実験で、アカゲザル(平均寿命26年)で実験した
ところ、普通に餌を与えたサルは20年以上たつと毛は薄くなり皮膚も皺が多くなりい
ましたが、30%のカロリー制限をずっとしてきたサルは、毛もフサフサで艶があり、
皮膚も張りがあり若々しさを保っていました。

脳を調べても、カロリー制限をしたサルの神経細胞はビッシリと詰まっていたのです。

このようにカロリー制限をすると、ミトコンドリアは活性酸素を抑制する物質を
出すようになります。

これはサルの場合の話ですが、では肝心の人間ではどうか?

この医学的な事実から、アメリカには「カロリー制限協会」という団体があり、
30%のカロリー制限に取り組んでいます。

そこでは果たして、血管年齢は一般の人に比べて平均で30歳は若いという結果が
でているそうです。血管年齢は若さのバロメータですから、カロリー制限の効果は
あったといえるでしょう。

日本でも、100歳で陸上の100メートル走の記録保持者の男性は、若い頃から
腹八分目を心がけ、小食を通してきたそうです。

そして、今回は金沢で4人の人がカロリー制限の実験に取り組みましたが、3週間
過ぎると、ミトコンドリアが31%増えた人が出て、7週間で全員が「長寿遺伝子」
のスイッチがオンになったと確認できました。

誰でも長寿遺伝子を持っているというのは本当だと確認できたわけです。

さて、この「長寿遺伝子」の正体とは何か?
それは、『サーチュン遺伝子』と呼ばれる遺伝子です。
サーチュンとは指揮者の意味らしいです。

カロリー制限をすると、このサーチュン遺伝子が働き始め、「サーチュン酵素」という
物質を出すようになります。

すると、他の遺伝子に作用し、ミトコンドリアや免疫細胞、インシュリンの働きなど
100以上もあるといわれる様々な老化促進の原因を抑えるように働くのです。

このスイッチをオンにするのは、30代40代の若い年代ほど効果的だそうですが、
難点はカロリー制限をやめると、すぐに『サーチュン遺伝子』は働かなくなること
です。

そこで、現在ではカロリー制限なしで、この遺伝子を働かせる方法が考えられ、
ある物質が注目されています。

それは『レスベラトロール』という赤ブドウの中に存在する成分です。

サーチュン酵素とほぼ同じ働きをするらしく、錠剤の薬品という形まで開発研究が
なされています。

しかし、一般的な使用はまだで、サプリメントという形でアメリカなどでは流通しているようです。

1ヶ月分で2千円~3千円程度の価格らしいですが、効果の保証はないとのことです。

日本では認可されていないのでしょうか、私もこのサプリメントの名は聞いたことが
ありません。

今後さらに研究が進めば、本当に飲むだけで寿命をのばせる薬も登場するかもしれない
と、今日の番組を見ていて思いましたね。