2012年9月27日木曜日

出稼げば大富豪、好き嫌いで仕事を選ぶより「まずは稼げ」と超大金持ちアニキ






年800人が教え乞う金持ちアニキ「成長するのは失敗した時」


NEWS ポストセブン 7月12日(木)16時6分配信


 インドネシア・バリ島の住民で「アニキ」こと丸尾孝俊氏(46)を知らない人はいない。食うにも困るほど貧乏だったアニキは、日本からバリに渡り、不動産ディベロッパーとして成功し、「試算することができないほどの資産」を持つ、超ウルトラ大富豪になった。

 

 いまや30社のオーナーで、かかえる従業員は5300人、自宅は25軒という世界レベルだ。その秘訣を知ろうと、日本から年間800人がアニキの元を訪れ、著書もベストセラーに。本誌が直撃すると、アニキは二つ返事でバコーンとその極意を、遠く離れたバリから教えてくれた。




【初対面から「自分の恥」をバコーンと晒せ】




 仕事で成功するには、とにもかくにも周囲の人たちと信用関係を築くのが大事だというアニキ。

 

「初対面から完全に本音丸出しで、パーンと飛ばしていくのがええねんて。開口一番、『はじめまして、僕、30歳までオネショ炸裂してました』とかな。思ってもいない社交辞令ばっかりをいうヤツと、相手を信用して本音丸出しでバコーンと自分の恥をさらしていくのと、どっちが親しくなれると思う?」

 

 こちらが答える間もなく、アニキが続ける。

 

「最初から『自分の恥』を出してくる人は、相手を信用している証拠やから共感を持たれるし、信用されるんや」




【失敗は他人事にするな! 自分ごとにせえ!】




 1回や2回どころか、何百回もの失敗をくり返してきたというアニキ。アニキによれば、人間が本当に成長するのは、実は失敗した時だけだという。さらに会社がうまくいく秘訣も失敗にあるとか。




「一番ええのは、失敗を共有することや。例えば部下が失敗したら、上司はそれを『自分の責任』にする。失敗を他人事ではなく、自分事にできるかどうか。それができれば、会社の一体感につながるわけや」




 さらに失敗した部下や仲間を励ます決めゼリフを、教えてくれた。




「『オレも、そうやったんや』もしくは『オレも、一緒やねん』。これいったら、もう完全にOKや」




※週刊ポスト2012年7月20・27日号





兄貴(丸尾孝俊)official Web


anikiwakyo.jp/ - キャッシュ共有

バリ島に住むバケラッタ級の大富豪アニキ「丸尾孝俊」公式サイト。関連書籍:出稼げば大富豪、ホンマもんの成功法則、大富豪アニキの教え。






好き嫌いで仕事を選ぶより「まずは稼げ」と超大金持ちアニキ
2012.07.10 16:00
 インドネシア・バリ島に住む「アニキ」こと丸尾孝俊氏(46歳)の元を訪れ、大富豪になる秘訣を知ろうとする人は今や年間800人。食うにも困るほど貧乏だったアニキは、日本からバリに渡り、いまや「試算することができないほどの資産」を持つ大富豪だ。


 アニキは不動産ディベロッパーとしていまや30社のオーナーで、かかえる従業員は5300人、自宅は25軒という世界レベルの大富豪だ。アニキはいかにして成功したのか。「金持ちになるとっておきの秘訣」を、直々に指南してもらった。


【ごっつい儲かる仕事を選べばええねん!】


 どうせ稼ぐなら、自分の好きなことを仕事にして稼ぎたいと誰しも思うだろう。特に若い世代では「自分にあう天職を見つけたい」という風潮が強く、会社をすぐに辞める若者が増えている。アニキにどう思うかを聞くと、こう即答。


「あのな、正直、『なにをいってるんかな?』と思うわ。『好き』『嫌い』で仕事を選んではアカンのや」


 じゃあ、どうやって仕事を選べばいいのか。


「『仕事=お金儲け』に置き換えてみるんやて。要するに『ごっついお金が儲かる仕事』を選択すればええんや。年収3000万円とか稼いじゃったら、ほとんどの人はその仕事を好きになっちゃうんじゃないか?」


 そういうものか。確かにたくさん儲ければ、儲けたお金で自分の好きなことは山ほどできる。


「お金を設けてしまったほうが早いってことやねん」


 ぐだぐだ考える前に、まずは稼げ。アニキは得意そうにこういうのであった。


※週刊ポスト2012年7月20・27日号

2012年9月17日月曜日

全巻ドットコム 四畳半からの出発


世界にはばたき出した日本の文化-「漫画」。2006年8月、この漫画を全巻セットで販売する世界初のサイトとして立ち上がった「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICO(トリコ)の社長でデジタルハリウッド大学院生の安藤拓郎さんに同社の変遷や、昨今の漫画事情について話を聞いた。(以下、敬称略)
■TORICOの変遷-四畳半からの出発
安藤さん-初めに、TORICO設立までの話をお聞かせください。

安藤「海外に向けてビジネスを展開したいという思いがあり大学卒業後、外資系の日本オラクルに入社しました。ですが、外資ではあるものの日本法人のため国内向けの営業がメーンで、なかなか海外につながるような仕事ができないということに入ってから気付きまして…(苦笑)。そのため、早期優遇退職制度を使って退職し、1年ほどアメリカで生活して帰国した後、三井物産に入社しました。そこで中国とのビジネスに関わっていくうちに、中国のスニーカー工場の方と知り合いになり、『オリジナルのスニーカーを中国で作って日本で販売したらおもしろいのではないか』と思い立ち、TORICOというブランドを立ち上げて高校からの友人と副業で靴を売り始めました。それがそこそこ売れたんですよ。その話をベンチャーキャピタルに持って行ったところ反応が良く『すぐにでも投資するので、起業した方が良い』という話になりまして、もともと友人と2人で何かやりたいという思いもあったので、三井物産を退職して2005年に弊社を設立しました」
-なるほど。
安藤「ところがいざ起業してみたところ、副業時に売れていたスニーカーが全く売れなくなり、暇をもてあます日々を過ごすことになってしまったんです。そのため、『これじゃまずい』と友人と2人で毎日さまざまなビジネス案を出していったところ、『コミックやDVD、ピザやコーラがセットで土曜日の朝に届くような、週末ひきこもりセットとかがあったら嬉しくないかな』という案が出たんです。その案をきっかけに、まずは『コミックを全巻セットで家庭へ届けるサービス』を始めようということになりまして、早速自分でサイトを作り1週間後にはそのお手製のサイトで漫画全巻セットの販売を始めたところ、スタート月で靴の売り上げだけでなく、前年度の売り上げを抜くほどの反響があったんです。物が売れない時期が長かったため、売れることの楽しさを感じましたね。靴は相変わらず売れてないんですが…(笑)。それでどんどんタイトルや広告を増やし始めたところ、さらに売り上げが増加。それまで、家賃3万5,000円のトイレもない四畳半のボロアパートの1室で、自分たちで販売する商品をかき集めて、部屋中に在庫の漫画を山盛りにし、それを自ら夜に出荷するような毎日だったんですが、おかげさまでアキバに事務所を借りたり、舞浜に倉庫を借りることもでき、やっと最近になって自分たちが汗水たらさなくても出荷できる体制が整ってきました」
安藤さん-当初から新品本を取り扱っていたんですか?

安藤「いえ。完全に中古です。つてもなかったので、2人で地域を決めて本屋をバイクでまわって商品を集めて、夜に出荷するような流れでした(笑)」

-シリコンバレーの絵に描いたようなガレージから成功をつかんだ感じなんですね(笑)。

安藤「ガレージ以下の所で始まっていますけど(笑)」

-ちなみに、現在は新品本のみの取り扱いとのことですが、中古本から新品本に取り扱いを切り替えた時期はいつ頃ですか?

安藤「昨年の9月頃です。それまではずっと中古本のみを取り扱っていて、途中から新品本も扱い出し、売り上げ的には切り替える直前で中古6対新品4くらいでした。利益が中古本の方が大きかったため、切り離すのも非常に勇気が必要だったんですが、やはり新品本でやっていかないと出版社の応援も受けられないでしょうし、中古本だと流通量が限られてしまっているためブーム性のあるものは、お客様の注文に対応できないだろうと思ったため、新品本のみに切り替えました。当時『DEATH NOTE』がブームになって、在庫を集めるのが大変だったんですよ。新品本だと大きな数で比較的安定して手に入れられるので、切り替えて良かったと思います」
-新品本に切り替えて売り上げは伸びましたか?
安藤「切り替え当初は売り上げが半分くらいに落ちたんですが、今は中古・新品両方売っていた時期よりも売り上げが上がっています」
-一番苦労されたのはいつ頃ですか?
安藤「四畳半部屋だった立ち上げ期ですね。楽しかったですが大変でした。あとはその後に引っ越して八王子に拠点をおいていた頃でしょうか。人員不足だったことに加えて、エレベーターもクーラーもないところだったため、毎日100箱くらいの本が建物の1階に届くんですが、それを3階まで運ぶ作業が過酷で、みんなゲッソリやせちゃいました(笑)」
■ユーザーには女性も-イケメンドラマが売り上げに
安藤さん-ところで、漫画全巻ドットコムではさまざまなジャンルの漫画を取り扱っていますが、どういったときに売り上げが大きく動きますか?

安藤「ドラマ・映画の放映やDVDの発売時などでしょうか。ちょっとしたきっかけで一瞬にして売れるんですよ。あとはテレビですね。例えば、リアル店舗だと顧客は商品を目で見て選ぶと思いますが、ネット書店だとPCを開きながらテレビを見ている人が、芸能人が発した一言で『読んでみたい』と思って購入されるケースが多いためテレビとのシナジーは強いです」
-そういえば、中川翔子さんのブログでも取り上げられていましたね。
安藤「あの件は反響がすごく大きかったです。サイトが落ちてしまいましたから(笑)」
-中川さんのブログ掲載で売り上げは伸びましたか?
安藤「大きく伸びました。2倍くらいに伸びて以降、売り上げが下がらず右肩上がりです。最初、自分も何が起きたかわからなかったんですよ(笑)。突然、売り上げがものすごく伸びて『なんだこれは!?』と調べてみたところ、中川さんがブログに掲載してくれていたと。中川さんがお客さんだったことも知らなかったんです。余談ですが、当時は『まんが全巻』という『まんが』がひらがなのサイト名だったんですが、中川さんがブログに『漫画全巻』と漢字で書いていたため、次の日から中川さんにならってサイト名を『漫画全巻』に変えました(笑)」
-そうなんですか(笑)。あとは、どんなときに動きがあるんですか?
安藤「コミックのパチスロ化だったり、『島耕作が社長になる』などちょっとしたネタでも連動します。本当に他媒体との連動は強いですね」
-なるほど。でも、その動きに合わせて仕入れをするのは大変じゃないですか?
安藤「大変です。映画化など大きなネタはある程度おさえられるんですが、突発的なネタには対応できないので、多少お待ち頂くという状況が発生しています」
-最近だと、「ルーキーズ」が1番の売れ筋ということが御社の売り上げランキングで出ていましたね。 

漫画全巻ドッとコム安藤「ここ2~3カ月はドラマの影響で『ルーキーズ』が一番出ていますね。『漫画全巻ドットコム』がオープンしてから一番売れているコミックです。『ルーキーズ』の前は『クローズ』や『花より男子』などの売り上げが良く、系統的にイケメンが出演するドラマが強いですね」

-コミックには少女漫画から青年漫画までさまざまなジャンルがありますが売れ筋はどれですか?

安藤「『漫画全巻ドットコム』サイト内で少女漫画はタイトル数が少ないんですが、その割には女性のお客様が多いです。その方々が『ルーキーズ』『クローズ』など今までは絶対に読んでいなかったであろう作品を買われているので、漫画の裾野が広がっていることを感じます。主婦などの女性ユーザーが男性向けコミックを読むというハードルは越えられたので、次は彼女たちが定番系を手に取るなど今後も裾野が広がっていくんじゃないかと思います」
-「漫画全巻ドットコム」のメーンユーザーはどの層ですか?
安藤「単価が高いため、20歳代後半~30歳代のビジネスマンのほか主婦層が多いです」
-主婦層が多いんですか?
安藤「多いですね。ヘビーユーザーを調べたことがあるんですが上位10人中8人が女性で、しかもその方たちは『もう読み終わったんですか?』というようなハイペースで買っていかれます(笑)」
-全巻単位だと、何冊くらいのものが売れ筋ですか?
安藤「1番売れるのは30冊前後です。『ルーキーズ』も『スラムダンク』も30冊くらいですね。値段的にも量的にも手ごろ(1万円前後)ですし、本屋でもまとめては買いづらかったり、ネットショップでも30回カートに入れる手間があったりするからでしょうね。あとは30冊くらいだと、週末を潰して読むのにちょうどいいボリュームなんでしょうね」
■中小書店の生き残りとウェブ×週刊コミックの連動
安藤さん-ところで、昨今の書店業界は御社やアマゾンのように好調なネットショップがある一方で街の本屋さんが潰れたりしていますが、これは時代の流れなんでしょうか?

安藤「売り方を工夫するとまだまだ先はあるんじゃないかなと思います」

-特定のジャンルに注力した書店は生き残っていますもんね。

安藤「小さなショップで商品を全包囲してしまうと生き残りが厳しいかもしれませんね。最近は小さな書店が減っている一方で、大手書店の敷地面積が広がっている現象が物語っているように、どんどん大手に寄っているんですよ。ですので、例えば雑誌だったら全商品、バックナンバーまで置いているような大手に対抗しうる個性を打ち出していかないと、僕たち含めて苦しい状況が続くでしょうね。我々も小さいアマゾンのように展開していたら、まったく売れなかったでしょうし」
-「週刊ヤングサンデー」の休刊など、漫画業界からあまり明るい話題を聞きませんね。
安藤「今の若い人たちって、週1回や月1回のサイクルが待てなくなってきているんですよね。ネットでは色んな情報が世界中から秒単位で入ってくるのに対し、週刊誌や月刊誌は週・月に1回しか届かない。それに付き合っていくのが億劫になっている人たちが増えてきているんじゃないかと。すぐには難しいとは思いますが、例えば毎日数ページずつネットやモバイルでUPされるような、読者層のスピードに対応したやり方ができれば状況は変わってくると思います」
-なるほど。
安藤「現在、我々は週刊コミック雑誌と連動したような動きができないかと考えています。例えば、週刊コミックの購買促進キャンペーンを僕たちの方でできないかなと。『漫画全巻ドットコム』のユーザーは漫画好きだけど単行本しか読んでいない層が多いので、彼らに週刊コミックを読んでもらえるような、良い循環を作れたらと思っています。コミック雑誌がなければコミックも無い訳ですから」
-個人的には、世に出ているコミックを全巻買ったとしても、その続きを次の週の週刊コミック雑誌で読めないじゃないですか。あのタイムラグが…。
安藤「将来の夢ですが、全巻と週刊コミックの間にある何話かのラグを電子コミックで埋めるようなことができるといいなと思います。ラグさえ読んでしまえば、全巻から週刊コミックにジョイントできるので。そういう流れを作れたらコミック雑誌、コミック両方にとっていいんじゃないかと思います」
■注目される街-秋葉原
安藤さん-御社は秋葉原に拠点を置かれていますが、最近の秋葉原についてどのようにお考えですか?最近は痛ましい事件も起きてしまいましたが…。

安藤「こういう言い方は語弊があるかもしれませんが、ものすごく注目されているんでしょうね。以前だったら渋谷や新宿で起きるようなことが秋葉原で起きているわけです。今回の事件で逮捕された犯人は東京の人じゃないですよね。『どこに行こう』と考えたときに秋葉原が思い浮かんでしまったということは、秋葉原が指折りの都市になっている証拠なんだと思います。10年前に今回の事件が起きていたとしたら『何でアキバ?』って感じていたかもしれませんが、今だったらあまり違和感がないですね」
-秋葉原の観光地化もめまぐるしいですよね。
安藤「そうですね。歩行者天国廃止の動きに代表されるように、規制が強くなっていくのは残念ですね。いい意味で『おかしい街-秋葉原』は僕個人としては楽しかったです。他にないじゃないですか。渋谷や新宿は似たような雰囲気ですけど、秋葉原は日本のどこにもないようなクレイジーな面が強く、海外の人も楽しめますし」
-安藤社長にとって秋葉原はどんな立ち位置ですか?
安藤「現在、漫画でビジネスを展開していますのでその足場としては最適な街ですし、ブランド力も持ち合わせた街ですよね。今後、ビジネスを海外にも展開していく予定ですので、『会社が秋葉原にあります』と海外の人に自己紹介したら、『シリコンバレーから来ました』みたいなイメージを持ってくれると思います(笑)」
■漫画を世界に-安藤社長の夢
安藤さん-最後に、安藤社長の夢や目標をお聞かせください。

安藤「今後は取り扱い商品を漫画全巻だけでなくDVDやアニソンCDなどに派生させていきたいですね。あとは、昔から海外に向けてビジネスを展開したいと思っていましたし、社名の『TORICO(トリコ)』も世界をトリコにするという意味を込めているので、今年中には多言語化して現地から出荷できるようなシステムを整えて、まずは韓国や台湾など近い国から漫画を広めていき、ゆくゆくは世界に広めていきたいというのが大きな夢です」
-ありがとうございました。
【あとがき】
四畳半から世界を目指す安藤社長。シリコンバレーのガレージから創業したアップルやHPのような将来の大企業の社長にインタビューをしているような気がした。アキバに事務所を置き、漫画を中心に世界へ進出。絵に描いたようなクールジャパンのサクセスストーリーである。アキバ経済新聞はこれからも安藤社長とTORICOに注目していきたい。

日本一幸せな会社、未来工業


岐阜の片田舎で劇団員たった4人で創業して45年。
後発ながら大手も敵わぬトップ商品を連発、仕事のノルマもなければタイムカードも残業もなし。休日数は日本一と言われる、社員にとって"理想郷"の会社。
"ドケチ経営"で注目を浴びる創業者・山田昭男が吠える!
「会社は自分のものだ!自ら考え、自ら良くしろ!」

ケチケチ会社の実態は…大手も勝てぬ、業界トップシェア

田んぼの中にたたずむ未来工業本社を訪れると…真っ暗な玄関。職場には、こまめに消すためにつけられた紐つきの蛍光灯、ドアノブなしでも開け閉めできるようにわざわざ改造したドア…と、とんでもないただのケチケチ会社に見える。だが従業員は8時30分に出社し、16時45分には退社していく。1日の労働時間は7時間15分、法定の8時間よりも短いのだ。そしてタイムカードなし、残業なし、ノルマなし…なのに、休日は一般企業より20日多い年間140日。盆・暮れは2週間休みがあることもザラ、という超ユニークな会社。
そんな"社員の理想郷"といえる未来工業は、壁に埋め込まれる電気コードの配線管やコンセントやスイッチの裏側の「スライドボックス」など、住宅関連の見えない部分を支える電気設備機器メーカーだ。しかもスライドボックスはシェア8割と、大手でも敵わない圧倒的に強い商品を数多く揃える。

誕生! 「考え抜く」社員たち

実は未来工業では、毎日1、2個は新製品が誕生しているという。そのおかげで、シェアトップのスライドボックスだけでも85種類も作っているのだ。取り付け穴が2個しかなかったものを4個に改良するなど、常に何かしらの改良で新商品が生まれ続けている。そんな社内のあちこちに掲げられているのは「常に考える」という標語ーー山田氏曰く「大手と同じものを作っていては負けてしまう、考え続けて差別化しろ!」これが全社員に徹底されているのだ。例えば営業社員にノルマはないが、ユーザーを必死に訪ねては、製品開発の種を拾い続ける。その結果、開発部門には全国の営業から毎日10件程の要望や提案が寄せられ、新商品化にこぎつけるのだという。「コストがかかるからダメとかではなく、どうしたら売れるか、客が便利だと思うものを『考え』ればいいんです」
そして「考え抜く」ための社内制度…改善提案は、全て1件500円で買い取りを行い、毎年1万件近く集まる。

ユニーク経営の基本――社員を大事にしてやる気を起こさせろ!

従業員780人の未来工業。ところがここには、派遣社員やパートはおらず、全員が正社員。育児休業は3年までとれるし、定年も70歳。さらに給与は地元・岐阜県庁と同等の高水準。山田氏の哲学は「社員の不満を解消するのが経営の仕事、社員のやる気をいかに起こさせるかが全て。アメとムチでなく、アメだけでいい」
そんな社内では、社員同士のサークル活動も盛んだ。ゴルフや将棋など、実はそうした活動に会社から月1万円が支給されている。さらに、今年は5年に1度の社員旅行がある。その行き先は、なんとエジプト!全額会社負担で500人以上が参加するという。社員がやる気になる待遇があれば、社員は応えて働くはず!それが山田流の経営術だ。

あなたの欲しいもの、海外で安く買ってあげます..


あなたの欲しいもの、海外で安く買ってあげます...
円高で注目を集めるショッピングサイトがある。その名は「バイマ」。世界65カ国で暮らす日本人2万3000人の個人バイヤーと契約し、彼らが現地で買ったバッグやアクセサリーなどのブランド品を、日本国内にいる80万人の会員に販売するというもの。この円高で、同じものを日本で買うより安く購入できるほか、日本では販売されない限定ブランド品なども手に入るとあって活況だ。
一方、海外で買い付けをする個人バイヤーの多くは、現地で結婚した主婦や、海外駐在員の家族など。自身のショッピングのついでに、商品の写真をサイトに出品。日本の会員から注文が来ればその商品を買って送るだけ。手数料などで手軽に小遣い稼ぎができる。

葉っぱビジネス


“葉っぱビジネス”

上勝町の笠松町長
上勝町の笠松町長
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山に落ちている葉っぱを集めて高級料亭に卸す――今や全国的な知名度を誇る徳島県上勝町の「彩(いろどり)事業」。高齢者がパソコンを使いこなしている点でも注目度は高い。上勝町の笠松和市町長は、2008年1月15日に開催された「NEC C&C財団シンポジウム 情報アクセシビリティ-国・地域・コミュニティの役割」において、その“秘密”の一端を披露した。
上勝町の“葉っぱビジネス”で取り扱っている、葉っぱは320種類あります。なぜこんなものが売れるかというと、都市部には季節感がないからです。節分ならひいらぎ、桃の節句には桃の花、といったようにイベントに合わせて出荷します。南天、もみじの葉、柿の葉は365日売れます。食事をしながらこういった季節感を楽しんでいただくのです。
 ですから、“葉っぱビジネス”では、必要なものを必要な時間帯までに、着実に届けられないと、ビジネスとして成り立たちません。多品種少量在庫のビジネスなのです。そのためには、パソコンはなくてはならないツールです。自分の売り上げがどうなっているか、どんなものが売れるのかというデータがないと、葉っぱを高く売れないからです。

どんな情報を流すかがポイント

では、なぜ高齢者がパソコンを使えるようになったのか。それには2つの理由があります。 
 まず、高齢者というのは若い人と同じような機械は使えません。例えば、マウスうまくが扱えないんです。そこで、専用のキーボードと大型のトラックボールを開発し、いろどり(葉っぱビジネスを行っている第三セクター)専用の操作が簡単なブラウザを搭載しました。経済産業省の実証実験で導入したのですが、高齢者が直感的に扱えるように工夫しました。
* 専用キーボードの形状などは笠松町長の講演資料を参照のこと。資料はNEC C&C財団のシンポジウム報告ページからダウンロードできる
さらに重要なのは、高齢者の方に「これは面白いな」と好奇心を持って見てもらえるような情報を作ることです。例えば、「いろどり」の専用ブラウザからは、自分の売り上げ順位を見ることができるようになっています。昨日の売り上げは3番だったとか、7番だったとか、15番だったとかいうことが分かるので、だんだんと面白くなってきます。「年金はあるし、別に稼がなくてもいいだろう」となりがちな高齢者の方にも、面白味を感じてもらえるような情報を毎日流さないとうまくいきません。いかに新しい生の情報を伝えてゆくかが重要です。
 上勝町では、国の補助金を活用して86%の家庭に光ファイバーが入ってます。そして高齢者の方がパソコンを使えるようにシルバー人材センターで講習も行っています。実は「パソコンは覚えなくていいし、テレビもいらない」という人もいます。もちろん、そういう人もいていいんです。ただ、「やりたい」「見たい」という意欲のある人を行政はバックアップしなくてはいけない。私はそう考えています。
 上勝町の高齢化率は48%ですので、全国でもトップレベルです。ありがたいことに、町の高齢者のみなさんは割合と元気で、県内では老人医療費は最低ということです。ですから、ビジネスとして注目を浴びている「いろどり」ですが、高齢者の人の生きがい作りになっているという意味も大きいと思います。