2015年2月8日日曜日

武富士贈与税訴訟

武富士贈与税訴訟


武富士の元会長が行った生前贈与の課税についての最高裁の判断がでて課税取り消しが確定した。
当時の法律で国外に住所がある人への贈与は日本の贈与税はかからないことになっていた。
この案件は、それを使った節税対策であったことは明らかなのだが、贈与をされた長男の元専務は当時香港の子会社の役員として香港に駐在していたことで、住所(生活の本拠)が国内か国外であったかどうかが争われていた。
新聞によると裁判所は
「主観的に課税回避目的があっても客観的な実態は消滅しない」
「このような方法による回避を認めるのが適当でないのなら、立法によって対処すべきだ」
とした。
また裁判長は、補足意見で、親子間で税負担なく財産が移転されたことについて
「著しい不公平感を免れないが、租税法律主義からはやむを得ない」
と述べた。
私も、その行為自体の良し悪しは別として、税金は法律に基づいて課税するという「租税法律主義」の精神からは画期的な判決だと思う。
税務署は法律に基づいてしか課税できなくて、「こいつのやり方はちょっとやりすぎだから、厳しく税金をかけてやろう」というのは通用しないと言うことだ。
それにしても、1600億円の本税に加え、還付加算金が400億円とは大きな金額で、税収不足の政府にとっては痛い出費だ。
(ところで、この還付加算金には所得税がかかることにはなりますが・・・)

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