2015年3月29日日曜日
異色の国産ボードゲーム「枯山水」が話題 その渋すぎる世界観
異色の国産ボードゲーム「枯山水」が話題 その渋すぎる世界観
ボードゲーム業界で、日本庭園造りをテーマにした渋いゲームが隠れたヒット作になっています。その名も「枯山水」。税込み8100円という高価格ながら、そのユニークな世界観が新たな客層を取り込んでいます。
砂・コケ・石を並べて「わびさび」を競う
プレーヤーは庭師として、砂やコケなどの絵柄のタイルを1枚ずつ引きながら、各自の庭園ボードに並べていきます。
タイルを敷き詰めた庭園には、「座禅」によって稼いだ「徳」ポイントを使うことで、好きな形の石を置くことができます。
また、雪舟や千利休など、庭師として著名な歴史上の人物のカードを使って、タイルをきれいに並べ替えたりなどの特殊効果を得ることができます。
ゲーム風景のイメージイラスト
出典:ニューゲームズオーダー
できた庭園の出来栄えは、デザインの規則性などで採点されます。
大きな立石が置かれたコケのタイルが2つ並ぶ「蓬萊山ボーナス」、2×3枚のタイルの対角に石がある「桂馬置きボーナス」などの加点もあり、合計点数が最も高いプレーヤーが、最も「わびさび」を表現した庭師としてゲームに勝利します。
特殊効果が使える作庭家カード。歴史上の人物が実名で登場する
出典:ニューゲームズオーダー
「コンセプトが渋い。パッケージも渋い」
このゲームを生産・販売するのは、ボードゲーム輸入卸会社「ニューゲームズオーダー」。同社が共催した企画コンテストの大賞受賞作を商品化し、2014年11月に発売しました。
発売当初から、その奇抜なテーマやパッケージが話題になりました。ツイッターでは、「コンセプトが渋い。パッケージも渋い」「なにこれちょっとやりたい」など、ボードゲームをやらない人たちからも反響がありました。
加齢臭がしそうな?渋すぎるパッケージは、十数枚の試作イラストから選んだ渾身の一枚を採用
出典:ニューゲームズオーダーの公式ツイッター
「枯山水」が大賞を受賞したコンテストでのプレーの様子
出典:東京ドイツゲーム賞2次審査 - 枯山水:YouTube
手作業で少量生産、会心のヒット
税込み8100円という高価格に関わらず、注文に生産が追いつかない人気で、専門店からも引っ張りだこに。1月末時点で560セットを出荷しました。
小規模メーカーとしては会心のヒット作だそうです。
ただ、社員自ら手作業で石に色を塗ったり梱包したりするため、大量生産は難しく、当面は月間150セットのペースで出荷を続ける計画です。
手作業で塗装され箱詰めを待つ、石のパーツ
出典:ニューゲームズオーダーの公式ツイッター
SNSで自分の「庭」自慢も
ネット上では、実際にプレーして仕上げた自分の庭園の写真をアップする人も増えています。
「そこはかとなく楽しかった」「庭に石を配置して、眺めてうっとりするのが楽しいw」「勝っても負けても自分の庭に愛着が湧く」といった感想が寄せられています。
ボードゲーム市場拡大に期待
もともと、大メーカーによる欧米のゲームの翻訳版が定番商品とされる国内ボードゲーム市場で、小メーカーによる国産ゲームのヒットは珍しいといいます。
同社開発・販売責任者の吉田恒平さんは、「予想を良い意味で裏切るもので、非常に驚いています。従来ボードゲームを買ったことが無い、遊んだことが無いという完全に新規の方の目にも触れ、遊んでいただいているようです」と、国内ボードゲーム市場の拡大に期待しています。
また、あくまで主たるビジネスである欧米ゲームの翻訳に注力しつつ、引き続きユニークなオリジナルゲームの発掘・販売を進めたい、と抱負を語っています。
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