2016年8月24日水曜日
インフラツーリズム
既存のインフラや工事中のインフラを対象にしたツアーが全国各地で実施されています。
インフラ・ツアーは、従来のように管理者が主体的に実施する「現場見学」だけではありません。
民間の旅行会社が企画立案して有料で催行される「民間主催ツアー」もあり、多岐にわたっています。
常に身のまわりには多くのインフラがありますが、ふだんあまり意識することは少ないのではないでしょうか。
インフラツアーは、インフラに近づき、触れることのできる絶好の機会です。
参加すれば、インフラへの理解が深まり、これまでにはなかった新たな発見があるかもしれません。
インフラツーリズムが大にぎわいだ。インフラとはインフラストラクチャーの略で、社会基盤構造物という意味。具体的には道路や通信、公共施設など、生活や産業の基盤となる構造物を指す。
そして、今、これらを見学するツアー『インフラツーリズム』に人々が押し寄せている。全国の構造物がどのように造られ、私たちの生活にどうかかわっているのか、その裏側まで見られるのが魅力なのだ。
黒部ダムなど、すでに観光地として人気のインフラもあるが、これまであまり訪れる人がいなかった放水路や橋、工事現場などが、今、注目の的となっている。その人気にひと役買っているのが、国土交通省総合政策局が運営している、インフラツアー専用ホームページ『インフラツーリズムポータルサイト』だ。
これには、全国の多岐にわたるインフラが載っていて、検索がしやすくなったことで訪れる人が急増した。同局の事業総括調整官・佐藤寿延さんはこう語る。
「以前から、現場見学会は行っていましたが、“インフラツーリズム”と呼ぶようになったのは2013年からです。インフラの建設中は多くの工事関係者が訪れるため、地域経済が活性化するのですが、工事が終わってしまうと寂しくなってしまう。そこで、橋やダムといったインフラを観光資源として活用する取り組みを推進するため、全国で実施しているインフラツアーを紹介するサイトを開設したのです」
現在、国土交通省が管理しているツアーは全国で約270か所。民間が実施しているものもあり、未掲載のものを含めると1000件以上に及ぶ。料金は、一部有料のものもあるが、ほとんどが無料で施設内や構造部を見学することが可能だ。
「インフラツアーの魅力はなんといっても非日常感。実際に足を運ぶことで、そのスケールが体感できます。それに、私たちの暮らしや安全を支えるダムやトンネルが、どのように造られ、どんな働きをしているか、その裏側に触れることもできるんです。
また、施設の近くには資料館もあり、昔、どのような目的で造られたか、そこに費やされた年月や技術などを知ることで、“これほどの歳月をかけて、造ったのか”“こんな新技術を開発し、こんな短期間で造ったのか”などと、ロマンを感じる人も多いんです」(佐藤さん)
インフラは大自然の中に存在することも多く、避暑にもおすすめ。
※女性セブン2016年7月14日号
宮ヶ瀬ダムのみどころ
観光放流
宮ヶ瀬ダムでおこなわれている観光放流は、放流量が1秒間に30m3、放流時間は6分間におよびます。まさに、想像を絶する水量が織り成す、ダイナミックな人工瀑布。ゴゴーッという轟音とともに、2本の白い水の筋がどんどん太くなっていく。大量に流れ落ちた川底からは、水しぶきがまるで煙のように舞い上がる。晴れた日は美しい虹も架かるこの壮大なショーを、あなたもぜひ体感してみてください。
・埼玉「首都圏外郭放水路」
テレビで紹介されて人気が集まるようになった人気インフラツアー。国道16号の下に建設され、地下約50m、全長約6.3kmもの大きさをほこります。
おもに貯水や、洪水による住宅街への氾濫の防止としての役割があります。放水路に水が十分に貯まった場合には排水できるようにその設備も用意されています。
見学会は個人や団体で申し込し、内容としてはビデオによる水路の概要説明や模型による全体像の紹介、そして水路の見学となっています。
URL http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html
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