2012年10月30日火曜日

ワールドコム


世界経済を揺るがす米ワールドコムとはどんな企業だったのか

2002/07/05
 6月25日に粉飾決算が発覚した米WorldComのニュースが連日報じられている。この問題を引き金にしてWorldCom社は現在、資金調達が困難な状況に直面している。場合によってはチャプター11(米連邦破産法11条:日本の会社更生法に相当)の適用申請に追い込まれるのではないかとも言われている。
 WorldCom社の総資産は1038億ドルで、昨年末破綻した米Enronの628億ドルをはるかに上回る。WorldCom社が仮にチャプター11を申請すれば、米国市場最大の倒産になる。
 WorldCom社についてはこれまでUS NEWS FLASHの記事でも数多く取り上げてきた。しかし同社の実態についてはあまり多く触れてこなかったように思う。そこで今回はこれまでの記事や米メディアの報道、各種の資料などから主要な出来事を拾って、同社の実像に迫ってみたいと思う。
■世界の通信インフラを支える米国第2位の長距離事業者
 WorldCom社は、米国で「IXC(inter-exchange carrier)」と呼ばれる長距離通信事業者に分類される企業である。WorldCom社の事業内容は、長距離電話サービスをはじめ、企業向けデータ通信、無線通信、地域電話サービスなど広範に及んでいる。また傘下には、大手ISP(Internet Service Prvider)のUUNETを抱えており、世界の65カ国で事業を展開している。
 IXCにはWorldCom社のほか、米AT&T、米Sprint、米Qwest Communications、米Level 3 Communicationsなどがある。これらがWorldCom社のライバル企業なのだが、WorldCom社はこのなかでAT&T社に次ぐ第2位のIXCとして世界の通信インフラを支えてきた。
 WorldCom社は2000年前半まで「MCI WorldCom」と名乗っていた。しかし1998年前半までは現在と同じ社名「WorldCom」を使っている。その一方で同社には今も「MCI」という事業部門が存在する。また日本法人の名前は「MCIワールドコム・ジャパン」である。少し混乱してしまうところだが、これは同社の成り立ちが他の企業に比べ複雑だったことを物語っている。
■ミシシッピーの小さな再販事業者がM&Aで拡大
 WorldCom社の前身は、今年4月までCEO兼社長だったBernard J. Ebbers氏が1983年に設立したLDDS Communications社である。Ebbers氏はその自由奔放な言動から「カウボーイ」と呼ばれたカリスマ的経営者である。LDDS Communications社は当初ミシシッピー州の小さな長距離再販事業者に過ぎなかったが、Ebbers氏の精力的な合併・買収(M&A)により、同社は現在のWorldCom社へと発展していった(掲載記事)。
 同社が約20年間にわたり行ってきたM&Aは合計75件にも及ぶ。その中で同社を飛躍的に拡大させた買収が二件ある。一つは97年の米UUNet Technologies、もう一つは98年の米MCI Communicationsの買収である。
 UUNet Technologies社は87年設立のISP。94年に米Microsoftと提携し、Microsoft社のISP事業、MSNの構築・運用を手がけたことで一気にその名を広めた。UUNet Technologies社は96年に地域通信事業者の米MFS Communicationsに買収されたが、翌97年にWorldCom社がそのMFS Communications社を買収し、WorldCom社の傘下に入った。
 一方のMCI Communications社は長距離通信、インターネット・バックボーン、ISP事業を手がけていた会社である。実はこのMCI Communications社に対しては、英BT(British Telecommunications)や米GTEが先に買収提案を行っていたが、WorldCom社がそれに横やりを入れる形で登場し、2社を上回る条件を提示した。WorldCom社はこうしてMCI Communications社を勝ち取ったのである(注1)

注1:GTE社は2000年に地域通信大手の米Verizon Communicationsに買収された長距離通信事業者。GTE社は280億ドルの現金による買収を提示していた。これに対しWorldCom社は370億ドル相当の株式交換による買収を提示した。

 この買収により年商300億ドルの巨大通信企業が誕生した。また同社はこれと同時に社名を「MCI WorldCom」に変えた(発表資料)。なお、日本法人のMCIワールドコム・ジャパンを設立したのもこの年である。MCIワールドコム・ジャパンは外資系企業として初めて第一種電気通信事業者の認可を取得し、98年11月に東京でサービスを開始した(発表資料)。こうして生まれ変わったMCI WorldComは、長距離/地域、データ通信、インターネット・サービスでの世界有数の企業へと変貌を遂げ、AT&Tに対抗できる強大な勢力となっていった。
■業界第2位と第3位が合併へ、既存通信事業者からの脱却
 通信バブルによる株高を生かしたM&Aで絶好調をおう歌していた同社が、その最盛期を迎えるのは99年のこと。MCI WorldCom社は同年10月に米長距離通信第3位のSprint社との合併を表明、時価総額2900億ドル、年商500億ドル超という巨大企業が誕生する、と発表した。(発表資料
 このころの同社は「generation d」と呼ぶe-businessの取り組みを発表し、“ネットワーク資産、資源、ノウハウ、7万7000人の社員を用いて、エンド・ツー・エンドの広範なサービスを手がける”という構想を描いていた。当時のEbbers氏は「既存の音声/データ通信事業者から脱却し、e-businessサービス・プロバイダとなるべく会社を再生させる」と豪語していたことが今も記憶に新しい(発表資料)。
 またMCI WorldCom-Sprint合併後の新会社の名称は「WorldCom」に決まっていたので、同社は、株主総会で合併承認が得られた2000年4月28日を境に社名を変更し、再びWorldComとして営業を始めた。
 ところがEbbers氏の思惑は予定通りにはいかなかった。この買収計画は結果的に失敗に終わることになる。
■司法当局に阻まれる行く手。そしてネット・バブル崩壊
 WorldCom社とSprint社は当初、米司法省やFCC(連邦通信委員会)などの認可を経て2000年後半にも合併作業を完了できる、という見込みを立てていた。しかし、米司法省はこれを認めなかった。両社の合併は独禁法違反の疑いがあるとして差し止め訴訟を起こしたのである。
 結局この訴訟は翌年の2001年にまで長引くことが分かったため、両社は2000年7月に「(訴訟が長引くことで)株主や顧客、従業員に対する利益が損なわれる」と理由を付け、合併断念を発表した。かくして総額1290億ドルの壮大な合併計画は夢と消えてしまったのである(発表資料)。
 折しもこのころネット・バブルが崩壊した。WorldCom社の株価はじりじりと下がり始めていた。同社はこうした局面を打開すべく、2000年9月に企業向けデータ通信などを手掛ける通信事業者、米Intermedia Communicationsを買収すると発表、また11月には、家庭向け通信事業などを切り離し、同社を、「MCI」と「WorldCom」に2分割するという大規模な組織再編に着手している。
■株価の下落をなんとか食い止めたい
 この事業拡大と組織再編の目的は株価を元に戻すことにあった。Ebbers氏も現に組織再編の記者発表で「(この組織再編で)株主・投資家に対して投資の対象を明確する」と率直に語っている。このとき同社の株価は7月にSprint社の買収が破談となったときの5割程度の水準にまで下落していたのである。
 同社が粉飾決算に手を染め始めたのは翌年の2001年始めである。自社株を通貨のように使う株式交換でM&Aを繰り返してきた同社にとって、株価の下落は成長が止まることを意味した。
 同社がとった手法は、EBITDA(earnings before interest, taxes, depreciation and amortization:利子、税金、減価償却費控除前利益)と呼ぶ業績評価指標の操作である。通信事業者は設備投資などで巨額の負債が生じるが、設備投資は減価償却されるため、このEBITDAに含まれない。EBITDAは、「通信事業者という特殊な事情の企業とそうでない企業の違いを除いて収益力を評価できる」ということで通信事業者によく使われる指標である。そしてWorldCom社は、巨額の営業費用を減価償却に付け替えることでこのEBITDAを水増ししていたのである。
■信用回復に取り組む新CEO
 この粉飾決算を指揮したとされるのは、同社が38億ドルに上る粉飾決算を明らかにした6月25日に解雇されたScott Sullivan前CFO(最高財務責任者)である。Sullivan氏はEbbers氏が信頼を寄せていたとされる人物。そのEbbers氏は4月30日に、3億6600万ドルに及ぶWorldCom社からの不明朗な個人融資が発覚したことなどを理由に辞任に追い込まれている(掲載記事)。
 そしてEbbers氏に代わって社長兼CEOに就任したのは、UUNet Technologies社の創設者でWorldCom社の副会長だったJohn Sidgmore氏である。Sidgmore氏は現在、投資家や債権者の信用のつなぎとめるべく、できる限りの手を尽くしているところである。6月28日にはGeorge W. Bush米大統領に書簡を送り、捜査当局に協力していくこと、すでにCFOを解雇したこと、監査役の辞任も決定していることなどを告げている。
■米大統領やSEC会長は事件関与者個人を批判するが・・・
 一方のBush大統領は、事件発覚の翌朝、サミットが行われていたカナダのカナナキスで声明を発表し、事件に関わった経営者を批判している。同大統領は7月1日にも改めて、会計不正に関与した人物に対する厳しい制裁措置の方針を示している。また同日には、SEC(米証券取引委員会)のHarvey Pitt会長もBush大統領と同様の批判を行ったと伝えられている。
 Enron事件で表面化した米企業への会計不信は、とうとう米国の代表的な通信企業にまで及んでしまった。また6月28日には米Xeroxの64億ドルの売り上げ水増しが報告され、7月2日にはフランスVivendi Universal(VU)の粉飾決算疑惑も浮上(関連記事)するなど、一連の事件は世界経済に動揺を与えている。
 こうなってくると、問題の本質はBush大統領の言う「不正会計に関与した人物を厳罰に処する」ということでは解決できないだろう。IT Pro掲載の小林雅一氏の記事が指摘するように、今は、かつて世界の手本とされていた米国流の経営・会計モデルに対する疑問が広がっているときなのである。その見直しが求められているこのときに、個人への制裁を前面に押し出した政策を掲げるのは見当違いだろう。




ワールドコム(WorldCom)はかつてアメリカに存在した巨大情報通信会社Bernard Ebbers氏が1983年に創設したその会社は、すさまじい勢いでM&Aを繰り返し急成長を遂げます。96年には当時全米4位の長距離通信会社・MCIを買収。これは当時全米史上最大の買収劇でした。
ワールドコムの快進撃に陰りが見えたのは99年、大手通信会社のSprintの買収を画策しますが、独禁法抵触のおそれから米国司法省のストップがかかります。時を同じくして、アメリカの通信業界は不況の波に被われます。拡大路線の修正を余儀なくされ、ワールドコムの戦略は迷走を始めます。

ワールドコムには「ROE42%死守」(高っ)という経営目標がありました。しかし不景気の折りその維持は困難になっていき、徐々に不正な会計処理に手を染めるようになります。

ワールドコムの主だった手口は至ってシンプル、
①本来費用処理すべき回線使用料を資産計上
②Accrual Accountを利用した収益の水増し計上
これだけ。エンロンのSPEを駆使した複雑なスキームと比べると雲泥の差である。

その分ワールドコムがすごいのは、内部監査人と監査法人への妨害工作のすさまじさ。読んでて寒気を覚えます。
アンダーセンの監査チームに対してだけでも、ファイナンスのVPへのインタビュー拒否、会計システム・連結会計システムへのアクセス禁止、要求された書類は出さない、出しても都合の悪い情報はすべて削除、数百万ドル規模の帳簿の改竄。。。これでは監査になりません。マジで。

で、アンダーセンがまずかったのは主に以下の3点。

第一に、リスクに見合った監査を行っていなかった点。
会計監査は会社のリスクを評価し、その結果に応じてリスクの高い領域に監査資源を集中投入します。当時のアンダーセンのリスク評価は「maximum」。maximumなんて普通そうありません。奇しくも自分もmaximumの会社を担当してましたが(それもべったり張り付きで)、周りの人たちには「すげー。マキシマムかよ。怖くてできねーよ」とよく言われました。いや、やりたくてやってたわけでは。。。
当たり前ですがリスクが高いと、会社のコントロールに依拠できる部分が少ないので。やる手続は増えて本当に大変。ところがアンダーセンはリスク評価「moderate」、つまり並みの会社に対する手続しかやっていなかったそうです。

次に分析的手続の失敗。
アンダーセンの監査人は、分析の結果「前期、前々期と比べて異常が変動ない」ということで、問題ないと判断したようです。前述したようにROEを毎年42%の水準に操作しているのだから、異常な変動など表れないのが当たり前。むしろ同じ時期、同業他社の業績は一様に下降線を辿っていました。これは同業者の目で見ると、あまりに判断のレベルが低い。

最後に会社に対する姿勢の問題。
ワールドコムは、アンダーセンにとっての「Crown Jewel」でした。つまりワールドコムのような巨大企業をクライアントに持つ、というのはステータスだったわけです。現に長期的関係を維持したいがために、監査報酬を少なめに請求していたようです。昔ほどではないにせよ、こういう発想はこの業界あるんですよね。。。

会計監査以外にも、Board Meetingに虚偽の資本的支出の計上額が報告されたり、自社株で信用取引をしていて追証が払えなくなったEbbers CEOに会社が無担保で貸し付けたり、債務保証したり、もうめちゃくちゃ。。。こんなひどい会社知りません。300億ドルの売上の会社を完全に私物化。


結局2002年に、内部監査室長だったCooper女史によってワールドコムの不正は明るみに出ます。99年から2002までの税前利益の過大計上は70億ドル、資産計上額1000億ドル以上のうち、実に800億ドル以上が損失処理され、ワールドコムは倒産。Ebbers CEO、Sullivan CFOといった中心人物たちは次々と法の裁きを受けることになります。ちなみにCooper女史はTime誌の2002年「Persons of the year」のひとりに選ばれています。


ケースも数多く読んでいると、上手い書き手というのはあるもので、トピックへの関心もあり今回のケースは実に楽しんで読めました。CFOがCooper女史に、資本的支出の監査を断念するよう恫喝したり、不正処理を嫌がって辞職しようとする経理担当の引き留め工作を謀ったり、生々しい描写が多い。

中でも、システムに詳しい内部監査担当が、本来無いアクセス権を駆使して会社の会計システムに侵入し(このあたりも内部統制機能してないような(笑))、証拠隠滅されないために、窓の無い小部屋で情報をCD-ROMにとりまとめるくだりなど、人間くさくて実におもしろいです。「社交的な3人の子供のパパ」ってそんな情報別にいらんやん(笑)。

圧迫的な企業風土、倫理観の無いトップ、張子のBoard、効かない内部統制、不透明な会計処理と、ワールドコムには監査上の危険性を高めるありとあらゆる要素が詰まっています。監査論のケーススタディとしては最適の事例といえます。自分は絶対に関わりあいたくないですが。

最後にFinancial ControllerであるMyers氏の弁、
「The entries(不正な仕訳)should not have been made, but once it had started, it was hard to stop.」
粉飾は麻薬と同じ。1回やったら止まりません。そんな事例も見てきました。皆さん、やったらだめですよ。

2012年10月24日水曜日

成功報酬型祝い金求人サイト






史上最年少東証一部上場社長の素顔とビジネスモデル


プレジデント 10月24日(水)8時0分配信







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写真・図版:プレジデントオンライン



■経営者になることを決めたのは小学生の頃




 連続して記録更新だ。昨年12月、村上太一社長率いる株式会社リブセンスが東証マザーズに上場を果たした。上場時、25歳1カ月。それまでの最年少記録だったアドウェイズ岡村陽久社長の26歳2カ月を大幅に更新した。さらに今年10月1日には東証一部へ市場変更。キャンドウの城戸一弥社長を抜き、東証一部上場の最年少社長となった。村上は、屈託のない笑顔でこう語る。




 「記録更新は狙っていました。会社を起こしたのは19歳のとき。最年少で上場が可能なスケジュールでしたから、それならいっそ目標にしてみようと」




 リブセンスは、アルバイト求人サイト「ジョブセンス」の運営で急成長を遂げた。求人サイト事業は、媒体のブランド力がものをいう。なぜ後発の同社が躍進できたのか。その背景には、業界の常識を覆した独自のビジネスモデルがあった。




 一般的な求人サイトは、求人企業からの求人広告をメディアに掲載した時点で料金が発生する。一方、ジョブセンスの場合、求人情報の掲載は無料。採用が決まった段階で課金される成功報酬型だ。求職者の集め方もユニークだ。ジョブセンスを介して採用されれば、求職者は最大2万円の「祝い金」がもらえる。これが他サイトとの差別化になった。




 祝い金制度は集客だけでなく、成功報酬型の弱点を補う効果もある。成功報酬型の場合、採用の決定を隠す企業も現れかねないが、採用が決まれば求職者から祝い金の申請があり、企業はごまかしがきかない。じつによく練られたビジネスモデルだ。




 アイデアの原点は、高校時代にあった。バイトを探していた村上は、飲食店やコンビニの店頭でバイト募集中の張り紙を見かけるわりに、それらの情報が求人サイトに載っていないことに気づく。仕方なく自転車で隣町まで張り紙を探しに行ったが、「IT時代なのに、ネットではなく自転車か」という不満が胸に残った。




 「不満の解消がビジネスの基本です。なぜ張り紙をする店がネットに求人情報を載せないのかと調べていたら、掲載に広告料がかかることがわかりました。そこから今の成功報酬型モデルの原型を思いつきました」




 高校生の時点で既に起業家精神に溢れていた村上だが、経営者になることを決めたのは小学生の頃だった。




 「昔から人に喜ばれることに自分の幸せを感じるタイプで、それができる職業に就きたいと考えていました。たまたま両祖父が経営者で、選択肢の1つになった。身近に政治家がいたら、そっちを目指していたかも」




 高校入学後、簿記とシスアドの資格を取り、起業家向けイベントに参加して仲間を集めた。早大進学後、1年生にしてビジネスプランコンテストで優勝。オフィス1年間無料の特典をえて、翌年に仲間4人と会社を立ち上げ、開業資金300万円を節約するため、登記は自力でやった。




 そこから6年弱で上場を果たし、今や村上は20代を代表する起業家の1人になった。若者の安定志向が強まる中で、起業して積極的にリスクを取りにいく最年少社長の姿はひときわ目立つ。しかし、本人は「リスクは嫌い」という。




 「これからの時代、企業や年金に頼ることのほうが怖い。本当の安定とは、個人でもしっかり生きていける力を身につけること。そういう意味では、私も安定志向です」




 現時点の自分の力に満足しない。




 「イーロン・マスク(スペースX社・テスラモーターズCEO)のように、次々と事業を生み出していく人に憧れます。若いということは、成長の余地があるということ。これからも、変わり続けたいですね」

2012年10月16日火曜日

商品情報あえて見せず 闇鍋商法、ヒットの秘訣 小さなヒントで好奇心刺激


商品情報あえて見せず 闇鍋商法、ヒットの秘訣 
小さなヒントで好奇心刺激

2012/9/22 20:41
何が鍋の中で煮えているのか、食べてみるまでわからない。そんな「闇鍋」のように、あえて商品・サービスの中身を明かさずに売る手法が最近目立つ。「買い物で失敗するのを避けたい」心理が広がるなかで、なぜ消費者は受け入れるのか。ヒット・不発の事例から、上手に情報を隠す闇鍋マーケティングの勘所を探る。
 
CD・本、タイトル・作者隠し感性に訴え
ジャケットを隠し、手書きのメモと試聴だけでCDを販売する残響shop(東京都渋谷区)
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ジャケットを隠し、手書きのメモと試聴だけでCDを販売する残響shop(東京都渋谷区)
 JR渋谷駅から歩いて10分ほどの路地にたたずむ「残響shop」は、インディーズレーベルを抱える残響(東京・渋谷)が運営するCD店。この面積約90平方メートルの店が7月下旬からにわかに活気づいた。8月の売り上げは前月の4倍に。きっかけは音楽の「闇鍋」だ。
 保護カバーが付いた約80枚のCD―Rが大型テーブルの上に並ぶ。ジャンルはロックからジャズ、クラシックにわたるが、ジャケット写真はおろかタイトルも歌手名もない。「ノスタルジックに浸ってみたい人に」「闇にまどろむ女性ボーカル」という手書きメモのみ添えられている。
 客はメモを読んで気になるディスクをプレーヤーで試聴。購入を決めると初めてCD本体を見せられ歌手やタイトルがわかる。「自分の耳だけを判断基準にして買ってほしかった」(田畑猛店長)。専門学校生の女性(20)は「インターネットでは検索できない作品が聴けて、自分の音楽の幅が広がる」と話す。
本の書きだしが印刷されたオリジナルカバーの書籍(東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店)
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本の書きだしが印刷されたオリジナルカバーの書籍(東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店)
 同様の仕掛けで最近話題を呼んだのが紀伊国屋書店新宿本店(東京・新宿)のブックフェア「ほんのまくら」だ。文庫本100冊は特製カバーに書きだしの文章(まくら)のみを印刷。16日までの2カ月弱の期間中に1万8600冊売れた。
 情報を隠せば客は商品に対して先入観を持たない。「この歌手は知らない」「あの作家は難しそう」と、作品の中身に触れる前に購入をやめてしまうこともない。そこにメモやまくらといった、感性に強く訴える小さな「手掛かり」だけを示すと、客は興味を引かれ、作品の中身に対する想像力を刺激される。そしてこの手掛かりを頼りに、自分に合う商品を吟味することになる。
 わずかに与える情報が印象深いほど、客の心理の中で商品の本質が際立つ。電通総研の吉田将英研究員は「消費者を、本当に知りたい中身に触れさせることに成功した」とこの手法を評価する。

感性などに訴える商品では手掛かりすらないと客は戸惑う。失敗例は2007年に渋谷のミニシアター、シネマ・アンジェリカ(10年閉館)が開いた「ブラックシアター」だ。タイトルなどの作品情報を一切公開せずに上映。映画好きの来場を見込んだが、結果は2週間で約200人。「告知の仕方などに反省が残る」と企画・配給したDEP(東京・新宿)の佐伯幸子取締役は話す。
味隠した菓子、会話のネタを提供
 闇鍋商法では会話の「ネタ」を提供するような素材選びも効果的。味を明かさない菓子が好例といえる。味覚は個人差が大きいだけに、自分の体験が話題になりやすい。交流サイト(SNS)を起点に話題のスパイラルが起きればヒットが期待できる。二の矢、三の矢をつぐ工夫も重要だ。
パッケージに味を表示しないストライドストライプ・メガサプライズ味(東京都練馬区のいなげや練馬上石神井南店)
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パッケージに味を表示しないストライドストライプ・メガサプライズ味(東京都練馬区のいなげや練馬上石神井南店)
 日本クラフトフーズ(東京・品川)が昨年6月発売してヒットしたガム「ストライド メガミステリー」(136円)は今年1月からシリーズ化した。ブランドマネジャーの盛泰輔さんは「様々なミステリーをまぶしたことが成功の要因」と話す。パッケージに大型クエスチョンマークを配して目を引き、CMは消費者に「何味か分からない」感覚を動作で表現してもらい話題を呼んだ。
 カンロが5月に期間限定発売した「ピュレグミ」の「秘密の恋味」(店頭実勢100円程度)は、SNS上で「ベリー味」「バラの香り」と自分の味覚を表現するコメントが相次いだ。カルビーが4月に期間・販路限定で売り出した「ポテトチップス 謎の味」(128円)は、ツイッターの「気になる画像」ランキング3位に入った。
 ただし同じブランドでの展開はいつか賞味期限もくる。森永製菓は08年8月から「ハイチュウ」の袋詰め品「ひみつのハイチュウ」を期間限定販売してきた。第1弾は想定のほぼ倍が売れたが、徐々に新鮮さが薄れ、11年秋の第4弾は売り上げが減少。今年5月には別シリーズに切り替えた。

旅行ツアー、宿泊・食事のお得感示し集客
 闇鍋商法の“老舗”は旅行の行き先を明示しない「ミステリーツアー」だ。福袋と同様、場合によっては在庫処分の側面も持つ。ただ、客にとっては決して安くないのでハズした時の不安感がある。そこで集客の決め手となるのが「お得感」を示す情報の開示だ。
阪急交通社のミステリーツアーは行き先を隠し、豪華さを訴える
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阪急交通社のミステリーツアーは行き先を隠し、豪華さを訴える
 9月上旬の土曜日、新幹線のグリーン車でJR東京駅を出発した阪急交通社のツアー。タイトルは「2泊とも弊社最上級Sランクホテルに泊まる ミステリーツアー3日間」(2万9900円)だ。旅行地のヒントはパンフレットの「涼しさを満喫できる観光地へご案内」の一文のみ。この日はシニアを中心に40人超が参加した。全催行日で500人の目標に対し800人以上が申し込んだ人気商品だ。
 「1番引かれたのがホテルの『Sランク』。皇室の方も泊まられたというので、どんな施設か想像するだけで楽しみ」。女友達(58)と参加した都内の女性会社員(45)は目を輝かせる。
 ツアーを企画したメディア営業一部の村上浩和さんは「ミステリーツアーで重要なのは、通常より満足度を上げることで旅慣れたリピーターの心を強くつかむこと」と話す。日帰りなら食事やお土産、宿泊なら露天風呂やホテルのランクといった、顧客の期待度が高いものは、時に写真を入れて訴求することもある。
 購入して得られる費用対効果の高さ、いうなれば達成感を巧みに示して安心感を呼ぶ戦術が奏功し、同社のミステリーツアー参加者は急増。12年度は9月までの5カ月強で参加者(予約客含む)は数万人に達し、すでに11年度通年の参加者の約2倍に達している。

2012年10月5日金曜日

イトーヨーカ堂とイオン


イオンは、とっくに従来型総合スーパーの運営に見切りをつけたからだ。両社はショッピングセンター事業を中核に据え、総合スーパーの中に「敵」だった専門店を導入。その集客力を取り込んだ事業モデルに転換した。
 ヨーカ堂は自前の売り場再生にこだわった。



成功の記憶、ヨーカ堂改革の足かせに(真相深層) 
セブン&アイ、好調コンビニにもあぐら

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2012/10/3 3:30
 セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が今後3年で正社員数の半減に踏み切る。パート比率を9割まで高め、収益力の傷んだ総合スーパーの運営を抜本的に立て直す。1990年代、小売業の先頭を走っていた優等生はいつの間にか他社の後じんを拝していた。売上高5兆円を超える巨大小売りグループがはまった落とし穴は何だったのか。
 ヨーカ堂は2015年度までに現在の正社員8600人を半分に減らし、グループのセブン―イレブン・ジャパンなどへ転籍を促す。既に募集を開始、現在までに約200人が応じたという。
■衣料品低迷続く
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 「今回は一大改革。スーパーのあり方を全部変える」と鈴木敏文セブン&アイ会長(ヨーカ堂会長)は強調する。ヨーカ堂は衣食住を扱う総合スーパー173店(12年2月期末)を展開するが、12年2月期の営業利益率は0.8%。ライバル、イオンの総合スーパー運営会社イオンリテールは2%、広島地盤のイズミは4%で、競争力で劣るのは明白だ。
 しかしヨーカ堂はもともと業界屈指の高収益で知られていた。逆転はなぜ起きたのか。
 93年2月期、ヨーカ堂はピークに当たる営業利益839億円をたたき出した。快走を支えたのが、「業革」と呼ばれる取り組みだ。業革は品ぞろえや在庫管理手法などを部長級以上の幹部社員が定期的に徹底討議、各店にフィードバックする。指揮を執ったのは当時副社長の鈴木氏だ。
 それから20年。鈴木氏はなお業革の先頭に立つが、業績は浮上しない。主因はかつて利益の半分を稼いだ衣料品が2000年代半ば以降、赤字に陥ったことだ。総合スーパーの独壇場だった低価格衣料は「ユニクロ」など専門店に完全に奪われた。スーパーの衣料品売上高は11年度に1兆3780億円と20年前の約3分の1。「スーパーは専門店に価格や品質で劣るというイメージが消費者に染みついている」(アパレル幹部)。品ぞろえなどをいじるだけでは改善できない差がある。

それでもイオンやイズミが利益率を維持できるのは、とっくに従来型総合スーパーの運営に見切りをつけたからだ。両社はショッピングセンター事業を中核に据え、総合スーパーの中に「敵」だった専門店を導入。その集客力を取り込んだ事業モデルに転換した。イズミの売上高に占めるテナント売上比率は前期で35%。一方、ヨーカ堂は18.6%(一部賃料を除く)と半分程度だ。
 ヨーカ堂は自前の売り場再生にこだわった。この10年は伊勢丹出身の「カリスマバイヤー」を招くなどして衣料品の自社開発を進めたが不発。09年には30店の閉鎖を打ち出したが復興特需もあり、実際の閉鎖店は20店に達していない。現在、ヨーカ堂の平均店舗年齢は20歳とイオンより5歳高い。業革を含む「成功体験の強さから構造改革が遅れた」(大和証券の企業調査部チーフアナリストの津田和徳氏)。
■79歳会長の挑戦
 もう一つの違いは、グループでセブンイレブンという高収益企業を抱えること。イオンやイズミは総合スーパーが主力で、その改革から目を背けるのは不可能だ。セブンイレブンの12年2月期の営業利益は約1800億円で、ヨーカ堂の不振は覆い隠される。
 鈴木氏は自らが創業したセブンイレブンやセブン銀行について能弁だが、ヨーカ堂改革を語ることは少ない。「相対的なヨーカ堂に対する執着心の薄さが改革を遅らせた」(セブン&アイ関係者)。リストラに二の足を踏むのは、ヨーカ堂創業者である伊藤雅俊名誉会長への“気兼ね”もありそうだ。信用を何より重視する伊藤氏は店舗閉鎖や人員削減に批判的。鈴木氏も「雇用や地域を考慮すると資本の論理ではつぶせない」と話す。
 再来月には80歳を迎える鈴木氏。ようやく業界では例を見ない改革に踏み出す。「(企業)体質は頓服を飲んで治るような簡単なことではない」。新しいスーパーの経営モデルづくりへ向け、もはや聖域はない。(編集委員 中村直文)

2012年10月4日木曜日

添い寝屋

誰しも、寂しさや孤独にさいなまれて、眠れないときがある。
そんなときに、寄り添って寝てくれる誰かがいれば?その願いを叶えてくれる画期的なビジネスが登場! その名もずばり「添い寝屋」
究極の癒しは添い寝です。

アメリカ・ニューヨークで大ブームの添い寝屋が日本でオープンいたします。
一言で添い寝と言っても添い寝の仕方は100通りあると言われてます。
オタクの聖地、秋葉原に堂々9/20オープン!!

店舗に来店して頂いて添い寝する方法と自宅やホテルに出張も致します。
パジャマやスエットはもちろん、メイド服やコスプレ姿で萌萌添い寝しちゃいます。
※性的なサービスは一切ありません。



ソイネ値段
●入会金 3000円
●初回のみ 40分 3000円
通常
20分 3000円
40分 5000円
60分 6000円
120分 11000円
180分 16000円
4時間 20000円
5時間 25000円
6時間 30000円
10時間 50000円(指名料サービス)
指名料 1000円(1時間毎500円)
*指名料は本指名以外はかかりません。
●オプション
お客様が女の子に腕枕 3分 1000円
女の子がお客様にトントンする 3分 1000円
お客様が女の子の頭をいいこいいこする 3分 1000円
見つめ合う 1分 1000円
着替え 一着 1000円
リフレ 3分 1000円
逆リフレ 3分 2000円
膝枕 3分 1000円
逆膝枕 3分 2000円
※女の子によって出来ないオプションもございます