2013年9月27日金曜日

来来亭はなぜフランチャイズシステムを導入しないのか


来来亭の優れた仕組みののれん分け制度

テレビなどでも紹介されているので知っている人もいるかと思いますが、来来亭が誇る「制度」とは、優れた仕組みののれん分け制度のことです。



来来亭では、店長になると、月給50万円以上が保証されています(平社員は27万円くらいから)。ただ、この仕組みだと店長は年収700万円の枠を突破できません。そこで考え出されたのが、のれん分けによる「独立」制度です。ある程度の勤続年数をクリアしたら、店長にその店舗ごと売ってしまい、独立できるという制度です。

最短3年で独立

しかも独立までの期間の短さが圧倒的。なんと、入社からたった3年で独立できるシステムです。



入社3年以上、店長職2年以上経験した者で、他に何も問題がなければ独立できる仕組みです。独立とは、店長をしているお店の営業権、建物、内装、厨房機器、看板、備品など、一切を会社から買い取り、オーナーとなることです。独立してどこかに新規にお店を出すのではなく、今まで店長として働いてきたお店そのものを買い取り、独立します。独立しても看板はそのまま、来来亭です。

ロイヤリティの支払いはなし

しかもフランチャイズシステムではなく、独立なので、本部へロイヤリティを支払う必要がありません。

独立して買い取ったお店で儲ければ、儲けた分だけオーナーの懐に入ります。しかも、雇われ店長だった時代よりも、独立してオーナーとなってからの方が、たいてい売り上げが良くなるそうです。つまり、大事なのはモチベーションです。独立という仕組みがあるからこそ、来来亭全体の評判が良くなるということです。

数年で独立されたら、来来亭直営店が減る一方?

ここで気になることがあります。来来亭本部側として、売り上げが軌道に乗った店舗を、オープンからたった数年で売ってしまって良いのか、ということです。フランチャイズシステムであれば、売り上げの一部がだまっていても入ってきますが、来来亭の制度ではロイヤリティが入ってきません。

有能な店長が独立すればするほど、来来亭直営店が減っていってしまいます。つまり、本部の売り上げが減っていきます。ではどうするか。独立するお店が増えても気にならないくらい、もっと新規店を出す、という作戦がとられています。なかなかリスキーな作戦です。店長が順調に成長してしまうと、来来亭本部は、独立までの数年間しか利益を上げられない仕組みですから。

来来亭でのれん分け制度が始まってからの7年間で、独立オーナー数は計48人、店舗数は67人になります。この本が書かれた当時(2008年)は、まだ神奈川県に来来亭はありませんでしたが、今はもう9店舗もあります。この仕組みのおかげで、急速に来来亭が増えているというわけです。

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