2014年5月27日火曜日

女性をディズニーランドでオトす鉄板方法



キャバクラでオヤジの三段論法というのがあり、キャバ嬢がひきまくることがよくある。いきなり初対面のキャバ嬢にオヤジは「キミ、セクシーだね、エッチ好きでしょう」と暴言に近い言葉を吐く。キャバ嬢は仕事だから「え~まあ別に嫌いじゃないですよ」と、頑張ってリップサービスをする。そこですかさずオヤジのカウンターパンチが炸裂だ。

「エッチ好きなんだ、じゃ今度しようよ、いつする?」

 なんか会話の凄く大事な部分が全て欠落しているんですけど。これでできたら、ほんと世の中なんでもありだわな。

 ところがである、このオヤジの三段論法が唯一成立するケースがある。それがディズニーランドへの誘いだ。




※写真はイメージ。本文とは関係ありません

「今ディズニーランドでイベントをやってるから、行きたいね」とキャバ嬢に言うやいなや、脊髄反射的に「わ~行きたい~連れてって~」という。これは間違いない。そこで三段論法的に決定的なスマッシュを決める。「じゃ明日行こうよ、大丈夫ちゃんと日帰りだから」というと、キャバ嬢は唐突に言われつつも、さほど危険な話ではないかもと思案顔になる。

 そこで後は押しの一手だ。入場券はおごってやり、食事は御馳走、おみやげも買ってあげる。心配なら友達を連れて来てもいいよ的なことをアピールして、口説かれる危険がないことを分からせるのだ。まんざら悪い話ではないなと思いつつも、今度は相手側のメリットが見えないことに不安となる。「そうまでして、なんで行きたいの?」と素朴な疑問を投げてくるキャバ嬢もいる。

 それは後々、セックスに繋がるからなんて口が裂けても言えない。「もう一度青春に戻ってみたいんだよ。一緒に耳つけてさ~」。もう、このひと言で決まりだ。「オヤジ客の青春回帰にひと役買うわけか、だったら協力してやってもいいかな」と、俄然キャバ嬢は乗り気になるのだ。

 後はスケジュールの問題だ。翌日にはならないかもしれないが、かなりの確率で、近日中にディズニーランドデートができるのである。こちらの出費にしても、どうせキャバクラで2万~3万円使うなら、ディズニーランドで大盤振る舞いしても、キャバクラ代にも満たない。それでお気に入りのコと、丸一日デートができるのだから、安いもんだ。

 さて当日、ここでオヤジの魅力をみせつけ、やっぱ大人は違うってところをアピールしよう。まずはクルマでどこかまでお出迎え。これは単なる移動手段だから、見栄を張らず平凡な国産車でいい。意識を集中するのは、あくまで夢の国でのお遊びのほうだ。

 上手く合流して、キャバ嬢を連れて行くのは、ディズニーシーのホテル、ミラコスタだ。唐突にここに連れて来られて戸惑っているキャバ嬢に「大丈夫、部屋は取ってないから。ここから入るとでかい駐車場を歩かなくてもいいだろう」と、彼女をホテルの入り口で降ろしてスムーズにチェックインだ。

 タネあかしはこうなっている。ミラコスタの主要な3つのレストランのディナーを予約した者は、ミラコスタの駐車場を利用できる仕組みになっている。ホテルのエントランスをくぐり、ロビーでグッズを見ながら奥へ進むと、あれまあ、なんとそこはディズニーシーの園内じゃありませんか。女のコはちやほやされ、VIP気分になるのが好きだ。もうこれでスタートダッシュは約束されたも同然。

 この段階ですでにチケットは購入しておくべきで、彼女がディズニーランドにこだわっているなら、共通券を買っておけばいい。あとでディズニーランドに行くとか言っても、面倒くさいので、来たら来たでディズニーシーに落ち着くって。そして、いよいよオヤジのテクにハマるのである。

 さて、お待ちかねメインイベント、ディナーである。ディズニーシーの公式レストランでは、真ん中の池でのアトラクションを見ながら、ディナーが食べられる。もちろん席によってはショーが見えないこともあるが、そのときはいったん中座して、スタッフがショーが見えるところへ案内してくれるから大丈夫だ。

 今まで野菊の花のように道端で、背伸びしながらひっそり見ていたショーだったが、今や高級ホテルのレストランのバルコニーで、庶民を見下ろしながらショーを見るまでに出世してしまった。

 キャバ嬢はショーを見ながら、このオヤジを見直し始めるだろう。「案外、このオヤジできるじゃん。ポケットからくしゃくしゃのお札を、もったいなさそうに取り出す同年代の野郎より、全然スマート。あっちの方も上手いと言ってるし、今度お手並み拝見しようかしら」と、なる予定である。

 キャバクラに行かない人は、彼女候補の女性にお試しあれ。評価が高まりますよ。

2014年5月26日月曜日

孫正義は、なぜ稀代の名経営者なのか?“辺り構わず”業容拡大する狩猟民族経営の正体


孫正義は、なぜ稀代の名経営者なのか?“辺り構わず”業容拡大する狩猟民族経営の正体

Business Journal 2014/5/25 03:00 山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役



孫正義の公式Facebookページ

[拡大]

 ユニクロなどを展開するファーストリテイリング社長の柳井正氏と、ソフトバンク社長の孫正義氏は、実質的な創業社長として現在日本における2大名経営者だと思います。ビジネス拡大の手腕については、ともに稀有というべき実績を残してきた2人ですが、その経営手法やスタイルには大きな差異が見られます。差異の筆頭ともいえるのが、「ビジネス・ドメイン(事業領域)」との関わり方でしょう。

●ドメインを果敢に飛び越えてきた孫正義

 ソフトバンクの本業として、現在多くの人たちが想起するのが携帯電話通信業者(キャリア)だということでしょう。iPhoneをメイン・アイテムとする日本の三大キャリアの1社です。2010年にはウィルコム、12年にはイー・アクセスを買収し、13年には米国でスプリント・ネクステルを買収してグローバルでも通信業のビッグプレーヤーとしての位置をうかがっています。

 しかし、ソフトバンクの発展を振り返ってみると、実は最初から通信業界の覇者を狙っていたわけではありません。

 筆者は1980年代の終わりに、とあるパソコンとソフトの販売会社で営業責任者をしていましたが、当時、ビジネス向けソフトウェアに関してはソフトバンクの前身である日本ソフトバンクが最大の購入先でした。ソフトバンクはソフトウェアの分野では日本における最大の卸業者だったのです。孫氏は重病を患って死線をさまよい入院していた時期で、筆者の在任3年間に現場に出てくることはありませんでした。

 そもそもこの一代の風雲児が米カリフォルニア大学バークレー校留学時代にベンチャーとして起業したのが、電子翻訳機でした。ですから孫氏は小なりとも製造業者としてそのビジネス人生をスタートさせたのです。事業家としての孫正義の真骨頂は、その電子翻訳機の開発・製造のために、自分の恩師であった同校教授を社員として雇い入れてしまったこと、そしてこの翻訳機を自社だけで販売しようとしないで、一面識もないシャープに押しかけてデモを披露した揚げ句、その権利を1億円で売却したということでしょう。「一学生の行動としては」と嘆声を上げざるを得ません。

 起業してからのソフトバンクの発展の経緯を見ると、次のような大きなイベントがありました。

 ・95年:展示会運営会社コムデックス買収
 ・96年:米国ヤフーに出資
 ・同:テレビ朝日株を購入
 ・98年:出版業ソフトバンク・パブリッシング設立
 ・99年:証券取引所ナスダック・ジャパン設立
 ・00年:日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)の筆頭株主

 ソフトバンクが通信業に本業の軸足を移したのは、01年にヤフー(日本)と共同でADSL接続サービスのYahoo! BBの提供を開始して以来のことにすぎません。いや、それ以降も福岡ダイエーホークスを買収したり、東日本大震災を契機にエネルギー事業である風力発電事業へ参入したり、「当たるを幸い」といった勢いで業容を展開しています。




このように孫氏が事業を発展してきた経緯を振り返ってみると、「辺り構わず」ともいえるビジネス・ドメインの展開ぶりです。なにしろ、製造業から流通業へ移って初期の業容拡大を成した後は、展示会運営会社であるコムデックスや出版会社を買収しては売却したり、金融事業からエネルギー事業までに参入したりと、基軸といえる事業の軸足を大きく動かしてきています。その放散ぶりは「しっちゃか、めっちゃか」とまで形容できるのではないかと思ってしまいます。

「大きくなれればなんでもいい」

 これが実は孫氏という経営者の正体なのではないかと筆者は思っています。これは別に悪いことではなく、むしろ感心します。成長可能性の大きい事業領域にある特殊な境遇の会社に大胆に手を出すことによって、自らの事業全体の成長を加速していく、そういうことに関して恐ろしく嗅覚が鋭く、かつ果断に突っ込んでいくことのできる稀代の事業家なのです。

●狩猟民族経営

 孫氏のこのようなビジネス展開の手法、そしてそれを裏付けている経営哲学は、華僑華人の経営者のそれらと、とても似ています。筆者は以前、香港証券取引所に上場している華僑の会社の日本法人社長を4年ほど務めていた際によく観察する機会がありましたので、つくづくそう思います。

 中国系企業家の特徴は、「関係(ガンシー)」ということを何よりも重視して、ビジネス機会があれば決してそれを逃さない、というところにあります。BtoBであろうがBtoCであろうが構わず進出していった結果、事業会社には共通性が見られない不整合なコングロマリットとして巨大化していくモデルです。

 柳井氏がソフトバンクの社外取締役に就任して、その役員会に出席した感想を次のように述べています。

「役員会でも百億円単位の話をすると、みんなが『小さい話だ』と言って、一千億円という金額でも『たいしたことないな』と言うんです。単位が僕らの感覚とかなり違う。それは孫さん自身がそれまで投資家の面があったからでしょう。株式市場から資金を調達して事業を拡大していくんですね。(略)普通の会社ではとてもそこまでリスクはとれない」(「企業家倶楽部」<07年4月号>より)

 柳井氏のこのコメントは、柳井氏と孫氏の経営の違いを象徴的に表しているように私には思えます。前回記事『ユニクロ柳井正の農耕民族経営 同じことの繰り返し&精緻化で同一事業領域を深掘り』で、筆者は柳井氏の経営を「農耕民族経営」と表しました。それに対し孫氏のそれは「狩猟民族経営」といえます。

 日本を代表する2人の名経営者は、とても対照的な経営アプローチをみせています。

2014年5月25日日曜日

オーサーランクとは?SEO


リブセンス決算で改めて注目、オーサーランクとは?


THE PAGE 5月25日(日)13時0分配信










[図]リブセンス決算で改めて注目、オーサーランクとは?


 史上最年少でマザーズに株式を上場(現在は東証1部)したことで知られる求人情報サイト運営会社「リブセンス」の収益が悪化しています。その背景には、Googleなど検索エンジンのルール変更があるといわれています。あらためてネット企業の経営が、検索エンジンに大きく依存していることが浮き彫りになりました。




 リブセンスの2014年1~3月期決算は市場にちょっとしたショックを与えました。売上高は前年同期比15.3%増の9億8700万円でしたが、営業利益は67.2%もの減少となり、株価は一時ストップ安まで売られました。売上高を維持するために、広告宣伝費を増やしたことが減益の主な理由なのですが、同社がなぜ広告宣伝費を増やす必要があったのかについては、ネットを中心に様々な噂が流れています。多くの人が指摘するのが、同社のSEO(検索エンジン最適化)対策の失敗です。




 ネット企業は、自社のサイトが検索エンジンの上位に表示されないとネット上で効果的に顧客を集めることができません。Googleではどのようにすれば上位に表示されるのか、くわしい仕組みは明らかにしていないのですが、各社は自社サイトを上位に表示させるために様々な工夫をしています。これらを総称してSEO(検索エンジン最適化)と呼びます。




 Googleは今のところ、他サイトからどの程度リンクが張られているのかというリンクの数を中心に、アクセス状況やコンテンツの中身などを総合的に評価し、検索の順位を決定していると思われます(これらの作業はシステムがすべて自動的に行います)。ただ意図的にリンクを増やすといった不自然な行為があった場合には、順位を下げるなどの措置を行っています。リブセンスもこの対象になったのではないかと考えられているわけです。




 Googleではリンク数に大きく依存した現在のランキング方式を改良し、より自然な形で検索結果が決まる新しい仕組みを目指しています。その流れの中で最近、話題になっているのが「オーサーランク」と呼ばれる概念です。




 オーサーランクとは、その名の通り、文章の書き手をランク付けし、より専門性が高いと判定された人のコンテンツを上位に表示しようというものです。現在のリンクを中心にした評価体系がすぐに変わるわけではありませんが、徐々にこうした新しいアルゴリズムのウェイトを高くするとしています。


どのようにして書き手をランク付けするのかについては今のところ不明ですが、おそらく自然言語解析技術を用いるものと考えられます。プロフィールが明確で著名な書き手についてはすぐにランク付けが可能と思われますが、ネットで文章を書く人の多くは名前やプロフィールが知られているわけではありません。自然言語解析の技術を使えば、文章を書いた人にどの程度の専門的知識があり、論理的な文章の組み立てを行っているのかについて評価することが可能です。こうした技術を組み合わせることで、書き手のランクを決定していくものと思われます。




 すぐに今の検索順位が変わるわけではありませんが、数年後には、キーワードを入れた時の検索結果は、今とはだいぶ違ったものになっているかもしれません。

2014年5月14日水曜日

関東カープ女子148名を感激させた、広島球団の営業戦略


関東カープ女子148名を感激させた、広島球団の営業戦略





2014.05.12 スポーツ


「神様・前田サマ(前田智徳氏)と直接お話できただけで十分なのに、エース・マエケンが(ヒーローインタビューで)私たちのことを言ってくれた。最後は大入り袋まで頂けて、最高に幸せです!」(参加者の逸見麻紀子さん)

 神宮やハマスタのレフトスタンドを真っ赤に染める「関東カープ女子」たちに、本拠地ズームズームスタジアムの雰囲気を味わってもらいたい。球団若手女子スタッフの粋な計らいから誕生したびっくり企画が、10日(土)の広島中日戦で行われた。

◆東京~広島間約500万円を負担!




まるで修学旅行!? 東京駅から広島駅に到着した148名の関東カープ女子たち この日のデーゲームに招待された関東在住の「カープ女子」は148名。応募総数2,305名、およそ15倍の抽選を射止めた“幸運の女神たち”にカープ球団は東京-広島間の往復新幹線チケットをプレゼント。概算の交通費500万円は球団が全額負担という、前代未聞の超太っ腹企画だ。

 試合前には彼女たちが陣取るレフトポール際のパーティーベランダ席に、サプライズゲストとしてOBの前田智徳氏が登場。5時間以上の長旅もなんのその、カープ女子たちのボルテージは最高潮に達し、中には涙ぐむファンの姿もあった。

「一度は来てみたかった憧れの地」、「普段は限られた一角で応援しているので360度真っ赤なスタンドは夢のようだった」と、参加者は興奮しながら“聖地”での初観戦を堪能した。さらに盛り上げ役として大手企業も参画したことから、広島へ向かう新幹線車中での取材タイム(JR西日本)、前田智徳氏の見どころ解説や記念撮影(球団)、観戦しながらのメイクアップ講座(資生堂)、前田氏との集合写真をレイアウトした特別号外のプレゼント(中国新聞)など、単なる観戦ツアーにとどまらない、立体感あふれる体験型ツアーに仕上がった。

⇒【写真】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=640918


前田智徳さんを囲んでハイチーズ!用意されたランチも赤を基本としたこの日の特製メニューだった資生堂によるネイル教室も。ネイルカラーはもちろん「カープレッド」!女子会にふさわしいスイーツやフルーツもご覧のとおり赤一色
 メディア各社からの取材を受けたり、神様・前田氏と対面したり、ビューティコンサルタントによるレッスンを受けた彼女たちは、誰もが満足感あふれる表情を見せた。148名の「関東カープ女子」たちのチームに対する忠誠心が、わずか半日の経験で一層高まったことは言うまでもない。投資500万円で、150名もの生涯顧客を獲得したカープ球団の営業戦略は秀逸だ。

 晴天に恵まれ、およそ3万人のファンが訪れた球場正面のグッズ売り場は朝から大盛況。「東京から招待してもらった分、散財します!」と笑顔で語った20代の学生は、紙袋いっぱいのグッズを購入して帰路についた。偶然にもこの週末、カープ球団が直営する売店の視察に訪れていた某球団のフロント幹部は「試合開始前で既に1,000万円近い売上があり、本当に驚きました」と、カープのローカル戦略に舌を巻いていた。

 ゲーム展開も、彼女たちカープ女子に味方した。エース・マエケンが初回に中日・森野に先制3ランを喫したものの、終わってみれば7回8安打4失点と持ち直して今季4勝目。お立ち台では「今日は関東からカープ女子の皆さんも来てくださって、その前で勝ててよかったです!」と満点のコメント。昨年、同僚の影響でカープ女子となったファン歴1年のゆきさんは「私が観戦した試合はこれで8戦8勝!」と紅潮した顔で、つかの間の夢体験を締めくくってくれた。


貸切車両となった新幹線の車内では「J SPORTS」の番組収録が行われた飲み放題のドリンクはビールの他にブラッドオレンジジュースという徹底っぷり
「きょう来てくれた方々が、関東のビジター席を真っ赤に染めてくださっている人たち。関東でもきっとこんな風に応援してくださっているんだろうな、と思うと、胸が熱くなりました」。この日の企画を担当した球団営業企画部、金光里絵さんのコメントは、関東カープ女子への感謝や思いやりで溢れていた。

「流行りの“スポーツツーリズム”みたいな大それた考えは全くない。来ていただいた方々の笑顔がすべての原動力」(営業企画課・山口恵弘課長)。「我々は地方球団だから(マーケティング活動を)大きくやるよりも、確実なファンに対して小さくやる活動が必ず実を結ぶ」(同・折山氏)と、大盛況に終わった「関東カープ女子」のホスト役に徹した球団スタッフの一貫した哲学に、快進撃を支える広島カープの営業戦略の源泉があった。

2014年5月5日月曜日

獺祭(だっさい)-倒産寸前“負け組”酒蔵が起こした奇跡! ピンチに挑み続けた大逆転経営



この40年間で、市場規模が3分の1にまで縮小している日本酒。そんな中、破竹の勢いで売り上げを伸ばしているのが、山口県の旭酒造が造る、純米大吟醸酒「獺祭」だ。
社長の桜井博志は、1984年、父の急逝により34歳で酒蔵を継ぐ。当時の旭酒造は山奥の小さな酒蔵で、販売不振にあえぎ「県内でも“負け組”だった」という。ところが2012年、旭酒造は純米大吟醸酒のトップメーカーに躍り出た。売り上げもこの1年で56%アップの39億円。注文に対して生産が追いつかないほどの人気の日本酒になった。地方の小さな酒蔵に、いったい何が起きたのか?ピンチに挑み続けた大逆転経営が明らかに!
飛ぶように売れる!奇跡の酒はこうして生まれた


いま日本酒業界に異変が起きているという。酒販店大手のはせがわ酒店を訪ねると、補充しても補充してもすぐ棚から無くなる酒が…。その名は「獺祭」。カワウソの祭り、と書いて「だっさい」と読む。はせがわ酒店によると、獺祭は「奇跡の酒」なのだという。
獺祭を造っているのは、山口・岩国市の山里にある旭酒造。社長の桜井曰く、「蔵の周囲半径5キロ圏内の人口は300人ほど」という過疎地域。しかも桜井が蔵を継いだ30年前の旭酒造は、全国的には全く無名の小さな酒蔵だった。業績が悪化し、関係者から「いずれ潰れるだろう」とささやかれるほど。そんな酒蔵から、なぜ大人気の酒が生まれたのか?
実は桜井は日本酒業界の常識を破り、独自の酒造りを次々と実践してきた。大胆にも、造る酒を純米大吟醸酒という技術的に難しい最高峰のものに特化。それを4合瓶で約1250円(当時)という、破格の値段で売り出した。しかも酒造りは、伝統の杜氏ではなく、旭酒造の社員たちが担う…。これにより純米大吟醸の量産化を可能にしたのだ。
ピンチをバネに!「獺祭」を襲った倒産の危機

だが実は、ここに至るまでに旭酒造には倒産の危機もあった。それは獺祭が少しずつ売れ始めた後のこと。冬場にしか稼働しない蔵を夏にも稼働させたいと、桜井は地ビール事業に手を出したのだ。しかしこれが大失敗。わずか3ヵ月で撤退に追い込まれ、1億9000万円の損失を出してしまったのだ。
その窮地を救ったのが、人気が出始めていた「磨き2割3分」の獺祭。「磨き」とは、精米して雑味となるタンパク質などを取り除く作業のこと。桜井は日本一の酒を造ろうと、手間も時間もかかる究極の磨きに挑み、「磨き2割3分」を生み出した。
桜井は言う。「客から見て、最高の酒を追求している酒蔵だから存在価値がある。どこにでもある酒蔵なら、価値はない」。
獺祭が世界へ…その先にあるものとは

今や世界22ヵ国で売られている獺祭。和食がもてはやされる中で、きちんと管理された本当においしい日本酒を知ってもらいたいと、桜井はパリに直営店を出すことを決めた。日本酒の酒蔵が海外に直営店をつくるのは、極めて異例のこと。「獺祭のおいしさは、必ず世界に通じるはず」と、独自の手法でワインの国に殴り込みをかける。
12月、山口の旭酒造に、見慣れぬ出で立ちの人物がやってきた。黒い帽子に長いヒゲ…ユダヤ教の聖職者だ。なぜ旭酒造に?実はここにも、桜井独自の販売戦略があった!

ラーメン学校



全国には4万店のラーメン店がひしめいている。しかも毎年3500店が新規出店しては、同数の3500店が閉店廃業、消えていく厳しい世界だ。そんなラーメン業界で、多くの繁盛店が頼りにするのが、香川県にある大和製作所だ。ラーメンなどの製麺機を作る機械メーカーで、小型製麺機では40%のトップシェアを誇っている。
だが大和製作所は単なる機械メーカーではない。1週間でプロのレベルになれるラーメン学校を開校。麺作りからスープの仕込みはもちろん、門外不出と言われる名店秘伝の味まで教えてくれる。そこには、経験と勘が頼りと言われたラーメン職人の世界を一変させる科学的手法「デジタル・クッキング」があったのだ。
今回のゲストは、ラーメン業界で影の指南役と呼ばれる男・大和製作所、社長の藤井薫。番組では、ラーメン学校の1週間に密着!「デジタル・クッキング」を公開。
製麺機の秘密と、繁盛店を生み出す藤井氏の非常識ともいえる戦略を紹介していく。
理想の麺作りを実現させる製麺機メーカー

20代の頃、川崎重工で戦闘機の開発に携わった藤井は、出身地である香川県で独立。戦闘機作りで得た独自の発想で、“安全”で“機能的”な製麺機を開発。1台の製麺機で全国津々浦々の麺が製造できるのだ。
経験も勘にも頼らず、一週間でプロを育てる「ラーメン学校」に密着!

製麺機を売るために始めたのが、ラーメン学校だ。講習費用はテキスト代込みで1週間・38万5000円。技術習得だけではなく、マネジメントを叩き込む。開校以来、世界18の国と地域から、約600人が受講。
1週間でプロになれる最大の理由は、経験も勘にも頼らない「デジタル・クッキング」にある。『人が作るよりおいしい麺を機械で作る』そう誓った藤井は、年間2000食を食べ歩き、名店の味を分析、データ化。調理の世界を徹底的に数値化。調味料を0.1g単位で組み合わせ、スープは濃度にこだわる。少人数で徹底的に教えるすべを密着取材!
繁盛店を続々と生み出す!藤井流・非常識経営術

経営戦略もとってもユニークだ。
「駅前に出店するな!」「新規出店を宣伝するな!」「最高の逸品しか出してはいけない!」など一見、非常識に思えるような繁盛店戦略を、実践する卒業生のお店を通して紹介。さらに番組では、客足の落ちた卒業生の店に飛び込み、立て直す藤井社長の姿も捉えた。