森伊蔵・百年の孤独…高値転売し荒稼ぎ 46件申告漏れ
酒店の焼酎専門コーナー。「プレミア焼酎」の入手は難しくなっている=福岡市博多区
酒類販売業免許がない九州の計46の個人と法人が、2010年6月までの5年間に、入手が難しい「プレミア焼酎」を高額で違法に転売し、約18億円の売り上げを得ていたことがわかった。福岡、熊本両国税局は計5億3300万円の所得隠しや申告漏れを指摘し、重加算税を含め約5400万円を追徴課税した。販売量は一升瓶(1.8リットル)で約33万本分になり、インターネットオークションを使う手口が多かったという。
福岡国税局などによると、鹿児島県の芋焼酎「森伊蔵」や、宮崎県の麦焼酎「百年の孤独」などの有名ブランドは「プレミア焼酎」と呼ばれ、市場での品薄が常態化し、入手が難しいとされる。正規ルートでは製造元による抽選販売や特約店にしか卸さないことも多い。ネットオークションの普及で人気銘柄の取引が広がり、定価の2~10倍前後で売買されているという。
両国税局による所得隠しや申告漏れの指摘は、05酒造年度(05年7月~06年6月)の2人から、09年度は14人と急増。違法販売された酒量は13倍になった。酒類の違法販売は全国的に増えているが、焼酎メーカーの多い九州が約半数を占めているという。
国税局から指摘を受けた46の個人や法人のほとんどが、ネットオークションを通じて販売していた。各地の特約店を巡ったり、別のサイトで購入したりした焼酎を高値で転売していたらしい。いずれも追徴課税を支払い、国税側には「免許が必要なことは知っていた」と話したという。
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