2012年12月28日金曜日

弁当箱専門店


オーナーはフランス人、京都の弁当箱専門店が人気


2012年07月27日


お椀をかぶった「こけし弁当京都」(オリジナルは芸妓・忍者バージョンの2種類、1680円)と行楽に持っていきたい「Bento&co Box」(上段は3つ、下段は9つに仕切り付き、3675円)は同店オリジナル商品。どちらも人気商品なのでプレゼントにもお薦めだ(画像クリックで拡大)

 4月7日、京都にオープンした弁当箱専門店「Bento&co」が人気を集めている。オーナーは、フランスから2003年に来日したトーマス・ベルトラン氏。20代から30代の女性を中心に修学旅行の学生などの観光客(外国人も含む)はもちろん、地元の人まで幅広い層が訪れているという。

 「Bento&Co」は2008年にフランス語のオンラインショップとして開店。その後、2010年に英語、2011年末に日本語のサイトを開設後、今年念願の実店舗がオープンした。商品は9割が日本製で、弁当箱の他、箸やスプーン、シリコンカップ、マグ、風呂敷などバラエティーに富んだラインナップ。秋田の曲げわっぱや福島の会津塗りなどの伝統工芸ものや、和布を特殊加工で貼り大きなサイズにした西陣弁当が海外で大人気だという。

 一方、実店舗には南フランスの生地メーカーから輸入したポーチやバックなどベルトラン氏ならではのセレクトも並ぶ。「フランスではパスタやサラダなどをタッパーに入れ単品で持っていくことが多い。仕切りがあり、見た目も美しい日本の弁当はとても魅力的でした。でも、サイトの立ち上げ当初、“なぜ弁当箱を海外に?”と各メーカーは半信半疑でしたね」とベルトラン氏。

 現在では世界70カ国から注文がくるという同店。米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポールなどを中心に、最近はロシアやブラジルなど新たな市場も広がっている。海外の人は送料がかかるので、一度に大量に買う人も多いとか。

 実店舗ができたことで取材が増え、日本での認知度もさらに高まった。自らも毎日お弁当を作り持参するというベルトラン氏は店頭に立ち、この弁当箱ならどんなメニューがお薦めか、容量はどのくらい入るのかなどを具体的にアドバイスしている。店舗は三条駅近くの寺町通にあるため、たまたま来店した人がネットショップでリピーターになるケースも多い。

 ネットショップは6割がリピーター。同店で購入した弁当箱につめた弁当の写真をメールで送ると次回10%割引きというサービスも人気だ。送られた写真は同店のブログで紹介されている。さらに、毎年「BENTOコンテスト」を開催しており、4回目の今年(テーマはおにぎり2個とお気に入りのおかず)は22カ国から237枚の写真が集まったばかり。こちらはFacebookで公開して投票を受け付けていたが、シンガポールからの応募写真が見事1位に輝いた。

 「米国ではスローフードへの関心が高まり、ヘルシーで経済的、自分で選択した安心な素材を使った弁当が注目されつつあります。最近ではフランスでも弁当のレシピ本が複数発売されました。弁当箱の販売を通して世界の人たちの食生活を楽しく健康的に変えていけたらうれしいですね」とベルトラン氏。

 京都に開店したことで、地元の職人たちとの交流も深まった。「海外の展示会へ一緒に出かけたり、技術を見せてもらったりしています。今後は京都ならではの商品も取り扱い、世界へ紹介するための架け橋になりたい。また、大人向けの商品をさらに充実し、いずれは東京丸の内あたりにも出店できたらと考えています」とベルトラン氏は語る。

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