2012年12月30日日曜日

一人勝ちココイチの秘密…ルーはハウス、値下げなし、独特FC


一人勝ちココイチの秘密…ルーはハウス、値下げなし、独特FC




●ルーはハウス食品から調達

 ココイチの強さを支えているのは、まずはハウス食品との関係である。カレーチェーン経営のポイントのひとつは、ルーの安定調達力だが、ココイチはルー製造で国内最大手のハウス食品から調達している。ハウス食品は壱番屋の株式を約19%所有、持株比率で第2位の大株主で、壱番屋を持分法適用関連会社としている。

 ココイチは海外8カ国にも計95店を出店しているが、海外現地法人はハウス食品との合弁が多く、「上海ハウスカレーココ壱番屋レストラン有限会社」「台湾カレーハウスレストラン株式会社」「韓国カレーハウス株式会社」はハウス食品の連結子会社、さらに「イチバンヤ USA Inc.」「壱番屋香港有限会社」は持分法適用関連会社である。

●値下げはしない

 ココイチの強さの秘訣として次に挙げられるのは、商品政策だ。ココイチの料金は決して安くない。都内のある店舗で従業員に確認したところ「客単価は800~850円」。最も安いのは「ポークカレー」で430円。だが、この従業員によると「ほとんどの客はトッピングを注文する」といい、これが客単価を押し上げているのだ。11月もトッピングの出数が好調であったことは、先に触れた通りだ。

 ココイチのトッピングは40種類近く品揃えされ、客は、あれもこれもと選んでいき、さらに辛さとご飯の量を選べる。チェーン店でありながら“マイカレー”を食べられるのだ。この楽しさがおのずと料金を上げていくのだが、トッピングがヒットしている理由は、それだけではない。

 客にトッピングの注文を促している理由はソースの味にあると、外食関係者は指摘する。

「ココイチのカレーソースにはこれといった特徴がなく、平凡な味だ。だからトッピングとケンカせず、複数のトッピングを付けても、味全体が重すぎない。あえて平凡な味にして、トッピングを生かせるソースを開発したのではないだろうか」

 決して値下げをしないのもココイチの特徴だ。新店オープン時には、記念のオリジナルスプーンを来店客に進呈しているが、割り引きはしない。デフレ下で値下げしなくとも業績が堅調なのは、それだけ消費者に支持され続けているからだが、値下げに伴う負の側面を回避できている。

 マクドナルドや牛丼チェーンを見れば明らかだが、値下げは禁断の実を食べるような措置だ。劇薬効果はあるものの、値下げ価格がスタンダードになってしまうと値上げが難しくなり、セットメニューを増やして客単価を上げるという苦肉の策に出ざるを得ない。さらに原価コントロールも難しくなる。

●独特のFC方式で店舗増大

 では、いかにして1204店という店舗数に増えていったのだろうか?

 店舗数増加を支えているのは、「ブルームシステム」と呼ばれる社員へののれん分け制度である。ココイチの店舗はフランチャイズ(FC)方式で運営されているが、FCオーナーを一般から募集していない。すべて社員からの独立である。

 FCオーナーを目指す人が、「独立候補社員」として入社。リクナビに掲載されている求人広告によると、独立まで2~5年勤務して、この間に繁華街、駅前、ロードサイドなどさまざまな立地の店舗を約10店経験する。一般からオーナーを募集するFCチェーンでは、どこでも3週間程度の事前研修を経て店舗をオープンするが、ココイチでは事前研修に2~5年をかけている計算だ。

 しかも開業資金の融資を受ける際には、本社が債務保証をしてくれる。だから、どんどん独立できるのである。リクナビ掲載内容によると、すでに445人が独立し、彼らの平均年収は1000万円だという。

 壱番屋本社は愛知県一宮市にあるが、名古屋市内の飲食業者は、ココイチのFC方式を次のように見ている。

「他の飲食FCチェーンに比べて、ココイチのFCオーナーは社員として数年間を過ごしているだけに、本部との一体感が強い。ココイチからは、他の飲食FCチェーンのような、本部とFCとの不協和音が漏れ伝わってこない」

 そして、こうした強みを有するココイチを育て上げたのが、創業者の宗次徳二氏と妻の直美氏の二人三脚によるリーダーシップである。業界内では、「他のカレーチェーンが成長しないのは、宗次夫妻がいないからだ」という声も聞かれる。

 消費者の立場からは、複数のカレーチェーンが拮抗したほうが、商品、サービス、価格でありがたみが出る。しかし、こうして見ると「ココイチを追随せよ」と他のカレーチェーンに求めても、一朝一夕には難しそうだ。カレー好きにはアンチ・ココイチも多いだろうが、対抗できるチェーンは当分現れそうになさそうだ。

2012年12月28日金曜日

弁当箱専門店


オーナーはフランス人、京都の弁当箱専門店が人気


2012年07月27日


お椀をかぶった「こけし弁当京都」(オリジナルは芸妓・忍者バージョンの2種類、1680円)と行楽に持っていきたい「Bento&co Box」(上段は3つ、下段は9つに仕切り付き、3675円)は同店オリジナル商品。どちらも人気商品なのでプレゼントにもお薦めだ(画像クリックで拡大)

 4月7日、京都にオープンした弁当箱専門店「Bento&co」が人気を集めている。オーナーは、フランスから2003年に来日したトーマス・ベルトラン氏。20代から30代の女性を中心に修学旅行の学生などの観光客(外国人も含む)はもちろん、地元の人まで幅広い層が訪れているという。

 「Bento&Co」は2008年にフランス語のオンラインショップとして開店。その後、2010年に英語、2011年末に日本語のサイトを開設後、今年念願の実店舗がオープンした。商品は9割が日本製で、弁当箱の他、箸やスプーン、シリコンカップ、マグ、風呂敷などバラエティーに富んだラインナップ。秋田の曲げわっぱや福島の会津塗りなどの伝統工芸ものや、和布を特殊加工で貼り大きなサイズにした西陣弁当が海外で大人気だという。

 一方、実店舗には南フランスの生地メーカーから輸入したポーチやバックなどベルトラン氏ならではのセレクトも並ぶ。「フランスではパスタやサラダなどをタッパーに入れ単品で持っていくことが多い。仕切りがあり、見た目も美しい日本の弁当はとても魅力的でした。でも、サイトの立ち上げ当初、“なぜ弁当箱を海外に?”と各メーカーは半信半疑でしたね」とベルトラン氏。

 現在では世界70カ国から注文がくるという同店。米国、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、シンガポールなどを中心に、最近はロシアやブラジルなど新たな市場も広がっている。海外の人は送料がかかるので、一度に大量に買う人も多いとか。

 実店舗ができたことで取材が増え、日本での認知度もさらに高まった。自らも毎日お弁当を作り持参するというベルトラン氏は店頭に立ち、この弁当箱ならどんなメニューがお薦めか、容量はどのくらい入るのかなどを具体的にアドバイスしている。店舗は三条駅近くの寺町通にあるため、たまたま来店した人がネットショップでリピーターになるケースも多い。

 ネットショップは6割がリピーター。同店で購入した弁当箱につめた弁当の写真をメールで送ると次回10%割引きというサービスも人気だ。送られた写真は同店のブログで紹介されている。さらに、毎年「BENTOコンテスト」を開催しており、4回目の今年(テーマはおにぎり2個とお気に入りのおかず)は22カ国から237枚の写真が集まったばかり。こちらはFacebookで公開して投票を受け付けていたが、シンガポールからの応募写真が見事1位に輝いた。

 「米国ではスローフードへの関心が高まり、ヘルシーで経済的、自分で選択した安心な素材を使った弁当が注目されつつあります。最近ではフランスでも弁当のレシピ本が複数発売されました。弁当箱の販売を通して世界の人たちの食生活を楽しく健康的に変えていけたらうれしいですね」とベルトラン氏。

 京都に開店したことで、地元の職人たちとの交流も深まった。「海外の展示会へ一緒に出かけたり、技術を見せてもらったりしています。今後は京都ならではの商品も取り扱い、世界へ紹介するための架け橋になりたい。また、大人向けの商品をさらに充実し、いずれは東京丸の内あたりにも出店できたらと考えています」とベルトラン氏は語る。

アイデアを大量生産できる最強のフレームワーク「オズボーンのチェックリスト





アイデアを大量生産できる最強のフレームワーク「オズボーンのチェックリスト」


2012年1月4日




若かりし頃、上司から「アイデアを出せ」「次の会議までにアイデアを考えておけ」と言われ、

そのたびに「またアイデアかよ・・・。」「全然思いつかない・・・。」と悩んだものです。




アイデア本を片っ端から読んで試してみましたが、そう簡単にはアイデアは出ないもので、上司へのアイデア報告は大変苦痛だったことを思い出します。




そんな当時の自分に「オズボーンのチェックリスト」を教えることができれば、ずいぶん状況は変わっていたのではないかと思います。


「オズボーンのチェックリスト」は、「入れ替えてみたら」「大きくしてみたら」「逆にしてみたら」などと、1つのお題からアイデアを大量生産することができるフレームワークです。




アイデア出しに困っている方、ぜひ「オズボーンのチェックリスト」を試してみてください。





「オズボーンのチェックリスト」は、どんなツールなのか?

9つの視点から、アイデアを発想できるツールです。






このように型(フレーム)が決まっていると、驚くほどアイデアが出てきます。




主に商品開発に使われているフレームワークですが、お店作りやWEBサイトなどにも応用できる、

汎用性の高いツールです。






オズボーンのチェックリスト 9項目

それでは具体的な9項目を見ていきましょう。




それぞれに具体例を載せています。

(豆腐屋が「オズボーンのチェックリスト」を使って、キャッチコピーを考えたという想定)







1.転用

他に使い道はないか?

今のままで新しい用途はないか?

少し変えて他の利用法はないか?


豆腐でキレイになろう!豆腐のビタミンを肌にすり込む「豆腐エステ」

新感覚のTENGA登場!豆腐ホール。







2.応用

他からアイデアが借りられないか?

他業種、別分野で似たものはないか?

過去に似たものはないか?

真似はできないか?


和の最高級品「黒豆腐」







3.変更

変えたらどうなるか?

意味、色、動き、音、臭い、形、型、包装など。


栄養満点のおやつをお子様に「甘豆腐」

ありそうでなかった!料理のアレンジが広がる「丸い豆腐」







4.拡大

大きくしてみたらどうか?

何か増やせないか?




<機能的な拡大>

大きさ、長さ、高さ、重さ、時間、面積、回数、強度、材料、範囲、濃度、成分、機能など。

<概念的な拡大>

地域、ターゲット、意味合い、価値、場所、目的


世界一長い豆腐売ってます

どんな料理にも耐えられる、ぜったい型崩れしない「強豆腐」

受験で頑張るお子様に!頭が良くなる「DHA豆腐」







5.縮小

小さくしてみたらどうか?

何か減らせないか?

シンプルにできないか?




<機能的な縮小>

大きさ、長さ、高さ、重さ、時間、面積、回数、強度、材料、範囲、濃度、成分、機能など。

<概念的な縮小>

地域、ターゲット、意味合い、価値、場所、目的


超圧縮!豆腐の100個分の栄養を1粒に凝縮した「豆腐サプリ」

あなたのムダ肉減らせます!簡単にできる究極の豆腐ダイエット







6.代用

他のモノで代用できないか?

人、物、材料、場所、素材、製法、マニュアル


肉の代わりに豆腐を使おう!ヘルシー&ジューシー「豆腐ハンバーグ」

糖尿病で苦しむお父さんの笑顔をもう一度「豆腐で作ったバースデーケーキ」







7.置換

入れ替えてみたらどうか?

順番、配置、位置、時間、パターン、レイアウト、やり方、結果と原因


飲める豆腐(食べるを飲むに入れ替える)







8.逆転

逆にしてみたらどうか?

上下、左右、前後、プラスマイナス、順番、役割、立場、やり方、客観・主観、売り手・買い手、肯定・否定


サラダに豆腐をかける!?「豆腐ドレッシング」







9.結合

組み合わせてみたらどうか?


和の栄養満点食!「豆腐納豆」(豆腐と納豆をマッチング)

非常食の決定版!水につけて1分で栄養満点の豆腐に早変わり(豆腐と非常食をマッチング)






「オズボーンのチェックリスト」の使い方

わたしは「オズボーンのチェックリスト」を考具という本で知りました。

この本には「オズボーンのチェックリスト」とは別に、マンダラートというツールも紹介されています。




マンダラートとは9個のマスを作り、真ん中に主題や目的を書きます。

残り8マスに、主題の実現法やアイデアを書いていくツールです。







このマンダラートに、「8マス全て埋める」というルールを追加します。

このルールが、アイデア出しの強制力を生んでくれます。

3、4マスを埋めて「もうアイデアなんて無いよ」と思っていても、「8マス全て埋める」という強制ルールがあるとアイデアを絞り出すことができます。







わたしは、このマンダラートを少し改良して使っています。




9マスに「オズボーンのチェックリスト」の9項目を当てはめ、主題はマンダラートの上部に移動させます。

こうすれば「オズボーンのチェックリスト」9項目を全て書くことができます。



PDF版をダウンロード

WEBアプリ版




わたしは、このシートを印刷して1日1枚以上、アイデアを出すようにしています。

家でも職場でも、電車の中でも、歩いているときも「あっ」って思いついたときはシートに書き込んでいます。







自分で使うのもいいですし、アイデア出しに慣れていない社員や部下に「次の会議までアイデアを考えてこい」っていうとき、このシートを渡してあげると、アイデア出しがスムーズになるかと思います。




ぜひ一度お試しください。

2012年12月21日金曜日

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー [単行本] 高橋 秀実 (著)



「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー [単行本]

高橋 秀実 (著)



商品の説明

内容説明


フツーにやってたら勝てるわけがない。「弱者」はギャンブルを仕掛けるしかないんだ! 練習時間、グラウンド、施設――すべてが不十分! それでも東大合格者数1位の超進学校は、7年前に東東京大会ベスト16、今年もベスト32に勝ち進んだ。守備より打撃、サインプレーなし、送りバントもしない。どさくさで大量点を取って打ち勝つべし! ――秀才たちが辿りついた結論は、高校野球の常識を覆す大胆なセオリーだった。

内容(「BOOK」データベースより)


時間、グラウンド、施設―すべてが足りない!超進学校が考えた常識破りの方法とは。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)






セオリー1、相手の苦手なコースに投げる


セオリー2、エラーはしょーがない。


セオリー3、盗塁する。ヒットの確率<盗塁の確率






審判の練習をする。

2012年10月30日火曜日

ワールドコム


世界経済を揺るがす米ワールドコムとはどんな企業だったのか

2002/07/05
 6月25日に粉飾決算が発覚した米WorldComのニュースが連日報じられている。この問題を引き金にしてWorldCom社は現在、資金調達が困難な状況に直面している。場合によってはチャプター11(米連邦破産法11条:日本の会社更生法に相当)の適用申請に追い込まれるのではないかとも言われている。
 WorldCom社の総資産は1038億ドルで、昨年末破綻した米Enronの628億ドルをはるかに上回る。WorldCom社が仮にチャプター11を申請すれば、米国市場最大の倒産になる。
 WorldCom社についてはこれまでUS NEWS FLASHの記事でも数多く取り上げてきた。しかし同社の実態についてはあまり多く触れてこなかったように思う。そこで今回はこれまでの記事や米メディアの報道、各種の資料などから主要な出来事を拾って、同社の実像に迫ってみたいと思う。
■世界の通信インフラを支える米国第2位の長距離事業者
 WorldCom社は、米国で「IXC(inter-exchange carrier)」と呼ばれる長距離通信事業者に分類される企業である。WorldCom社の事業内容は、長距離電話サービスをはじめ、企業向けデータ通信、無線通信、地域電話サービスなど広範に及んでいる。また傘下には、大手ISP(Internet Service Prvider)のUUNETを抱えており、世界の65カ国で事業を展開している。
 IXCにはWorldCom社のほか、米AT&T、米Sprint、米Qwest Communications、米Level 3 Communicationsなどがある。これらがWorldCom社のライバル企業なのだが、WorldCom社はこのなかでAT&T社に次ぐ第2位のIXCとして世界の通信インフラを支えてきた。
 WorldCom社は2000年前半まで「MCI WorldCom」と名乗っていた。しかし1998年前半までは現在と同じ社名「WorldCom」を使っている。その一方で同社には今も「MCI」という事業部門が存在する。また日本法人の名前は「MCIワールドコム・ジャパン」である。少し混乱してしまうところだが、これは同社の成り立ちが他の企業に比べ複雑だったことを物語っている。
■ミシシッピーの小さな再販事業者がM&Aで拡大
 WorldCom社の前身は、今年4月までCEO兼社長だったBernard J. Ebbers氏が1983年に設立したLDDS Communications社である。Ebbers氏はその自由奔放な言動から「カウボーイ」と呼ばれたカリスマ的経営者である。LDDS Communications社は当初ミシシッピー州の小さな長距離再販事業者に過ぎなかったが、Ebbers氏の精力的な合併・買収(M&A)により、同社は現在のWorldCom社へと発展していった(掲載記事)。
 同社が約20年間にわたり行ってきたM&Aは合計75件にも及ぶ。その中で同社を飛躍的に拡大させた買収が二件ある。一つは97年の米UUNet Technologies、もう一つは98年の米MCI Communicationsの買収である。
 UUNet Technologies社は87年設立のISP。94年に米Microsoftと提携し、Microsoft社のISP事業、MSNの構築・運用を手がけたことで一気にその名を広めた。UUNet Technologies社は96年に地域通信事業者の米MFS Communicationsに買収されたが、翌97年にWorldCom社がそのMFS Communications社を買収し、WorldCom社の傘下に入った。
 一方のMCI Communications社は長距離通信、インターネット・バックボーン、ISP事業を手がけていた会社である。実はこのMCI Communications社に対しては、英BT(British Telecommunications)や米GTEが先に買収提案を行っていたが、WorldCom社がそれに横やりを入れる形で登場し、2社を上回る条件を提示した。WorldCom社はこうしてMCI Communications社を勝ち取ったのである(注1)

注1:GTE社は2000年に地域通信大手の米Verizon Communicationsに買収された長距離通信事業者。GTE社は280億ドルの現金による買収を提示していた。これに対しWorldCom社は370億ドル相当の株式交換による買収を提示した。

 この買収により年商300億ドルの巨大通信企業が誕生した。また同社はこれと同時に社名を「MCI WorldCom」に変えた(発表資料)。なお、日本法人のMCIワールドコム・ジャパンを設立したのもこの年である。MCIワールドコム・ジャパンは外資系企業として初めて第一種電気通信事業者の認可を取得し、98年11月に東京でサービスを開始した(発表資料)。こうして生まれ変わったMCI WorldComは、長距離/地域、データ通信、インターネット・サービスでの世界有数の企業へと変貌を遂げ、AT&Tに対抗できる強大な勢力となっていった。
■業界第2位と第3位が合併へ、既存通信事業者からの脱却
 通信バブルによる株高を生かしたM&Aで絶好調をおう歌していた同社が、その最盛期を迎えるのは99年のこと。MCI WorldCom社は同年10月に米長距離通信第3位のSprint社との合併を表明、時価総額2900億ドル、年商500億ドル超という巨大企業が誕生する、と発表した。(発表資料
 このころの同社は「generation d」と呼ぶe-businessの取り組みを発表し、“ネットワーク資産、資源、ノウハウ、7万7000人の社員を用いて、エンド・ツー・エンドの広範なサービスを手がける”という構想を描いていた。当時のEbbers氏は「既存の音声/データ通信事業者から脱却し、e-businessサービス・プロバイダとなるべく会社を再生させる」と豪語していたことが今も記憶に新しい(発表資料)。
 またMCI WorldCom-Sprint合併後の新会社の名称は「WorldCom」に決まっていたので、同社は、株主総会で合併承認が得られた2000年4月28日を境に社名を変更し、再びWorldComとして営業を始めた。
 ところがEbbers氏の思惑は予定通りにはいかなかった。この買収計画は結果的に失敗に終わることになる。
■司法当局に阻まれる行く手。そしてネット・バブル崩壊
 WorldCom社とSprint社は当初、米司法省やFCC(連邦通信委員会)などの認可を経て2000年後半にも合併作業を完了できる、という見込みを立てていた。しかし、米司法省はこれを認めなかった。両社の合併は独禁法違反の疑いがあるとして差し止め訴訟を起こしたのである。
 結局この訴訟は翌年の2001年にまで長引くことが分かったため、両社は2000年7月に「(訴訟が長引くことで)株主や顧客、従業員に対する利益が損なわれる」と理由を付け、合併断念を発表した。かくして総額1290億ドルの壮大な合併計画は夢と消えてしまったのである(発表資料)。
 折しもこのころネット・バブルが崩壊した。WorldCom社の株価はじりじりと下がり始めていた。同社はこうした局面を打開すべく、2000年9月に企業向けデータ通信などを手掛ける通信事業者、米Intermedia Communicationsを買収すると発表、また11月には、家庭向け通信事業などを切り離し、同社を、「MCI」と「WorldCom」に2分割するという大規模な組織再編に着手している。
■株価の下落をなんとか食い止めたい
 この事業拡大と組織再編の目的は株価を元に戻すことにあった。Ebbers氏も現に組織再編の記者発表で「(この組織再編で)株主・投資家に対して投資の対象を明確する」と率直に語っている。このとき同社の株価は7月にSprint社の買収が破談となったときの5割程度の水準にまで下落していたのである。
 同社が粉飾決算に手を染め始めたのは翌年の2001年始めである。自社株を通貨のように使う株式交換でM&Aを繰り返してきた同社にとって、株価の下落は成長が止まることを意味した。
 同社がとった手法は、EBITDA(earnings before interest, taxes, depreciation and amortization:利子、税金、減価償却費控除前利益)と呼ぶ業績評価指標の操作である。通信事業者は設備投資などで巨額の負債が生じるが、設備投資は減価償却されるため、このEBITDAに含まれない。EBITDAは、「通信事業者という特殊な事情の企業とそうでない企業の違いを除いて収益力を評価できる」ということで通信事業者によく使われる指標である。そしてWorldCom社は、巨額の営業費用を減価償却に付け替えることでこのEBITDAを水増ししていたのである。
■信用回復に取り組む新CEO
 この粉飾決算を指揮したとされるのは、同社が38億ドルに上る粉飾決算を明らかにした6月25日に解雇されたScott Sullivan前CFO(最高財務責任者)である。Sullivan氏はEbbers氏が信頼を寄せていたとされる人物。そのEbbers氏は4月30日に、3億6600万ドルに及ぶWorldCom社からの不明朗な個人融資が発覚したことなどを理由に辞任に追い込まれている(掲載記事)。
 そしてEbbers氏に代わって社長兼CEOに就任したのは、UUNet Technologies社の創設者でWorldCom社の副会長だったJohn Sidgmore氏である。Sidgmore氏は現在、投資家や債権者の信用のつなぎとめるべく、できる限りの手を尽くしているところである。6月28日にはGeorge W. Bush米大統領に書簡を送り、捜査当局に協力していくこと、すでにCFOを解雇したこと、監査役の辞任も決定していることなどを告げている。
■米大統領やSEC会長は事件関与者個人を批判するが・・・
 一方のBush大統領は、事件発覚の翌朝、サミットが行われていたカナダのカナナキスで声明を発表し、事件に関わった経営者を批判している。同大統領は7月1日にも改めて、会計不正に関与した人物に対する厳しい制裁措置の方針を示している。また同日には、SEC(米証券取引委員会)のHarvey Pitt会長もBush大統領と同様の批判を行ったと伝えられている。
 Enron事件で表面化した米企業への会計不信は、とうとう米国の代表的な通信企業にまで及んでしまった。また6月28日には米Xeroxの64億ドルの売り上げ水増しが報告され、7月2日にはフランスVivendi Universal(VU)の粉飾決算疑惑も浮上(関連記事)するなど、一連の事件は世界経済に動揺を与えている。
 こうなってくると、問題の本質はBush大統領の言う「不正会計に関与した人物を厳罰に処する」ということでは解決できないだろう。IT Pro掲載の小林雅一氏の記事が指摘するように、今は、かつて世界の手本とされていた米国流の経営・会計モデルに対する疑問が広がっているときなのである。その見直しが求められているこのときに、個人への制裁を前面に押し出した政策を掲げるのは見当違いだろう。




ワールドコム(WorldCom)はかつてアメリカに存在した巨大情報通信会社Bernard Ebbers氏が1983年に創設したその会社は、すさまじい勢いでM&Aを繰り返し急成長を遂げます。96年には当時全米4位の長距離通信会社・MCIを買収。これは当時全米史上最大の買収劇でした。
ワールドコムの快進撃に陰りが見えたのは99年、大手通信会社のSprintの買収を画策しますが、独禁法抵触のおそれから米国司法省のストップがかかります。時を同じくして、アメリカの通信業界は不況の波に被われます。拡大路線の修正を余儀なくされ、ワールドコムの戦略は迷走を始めます。

ワールドコムには「ROE42%死守」(高っ)という経営目標がありました。しかし不景気の折りその維持は困難になっていき、徐々に不正な会計処理に手を染めるようになります。

ワールドコムの主だった手口は至ってシンプル、
①本来費用処理すべき回線使用料を資産計上
②Accrual Accountを利用した収益の水増し計上
これだけ。エンロンのSPEを駆使した複雑なスキームと比べると雲泥の差である。

その分ワールドコムがすごいのは、内部監査人と監査法人への妨害工作のすさまじさ。読んでて寒気を覚えます。
アンダーセンの監査チームに対してだけでも、ファイナンスのVPへのインタビュー拒否、会計システム・連結会計システムへのアクセス禁止、要求された書類は出さない、出しても都合の悪い情報はすべて削除、数百万ドル規模の帳簿の改竄。。。これでは監査になりません。マジで。

で、アンダーセンがまずかったのは主に以下の3点。

第一に、リスクに見合った監査を行っていなかった点。
会計監査は会社のリスクを評価し、その結果に応じてリスクの高い領域に監査資源を集中投入します。当時のアンダーセンのリスク評価は「maximum」。maximumなんて普通そうありません。奇しくも自分もmaximumの会社を担当してましたが(それもべったり張り付きで)、周りの人たちには「すげー。マキシマムかよ。怖くてできねーよ」とよく言われました。いや、やりたくてやってたわけでは。。。
当たり前ですがリスクが高いと、会社のコントロールに依拠できる部分が少ないので。やる手続は増えて本当に大変。ところがアンダーセンはリスク評価「moderate」、つまり並みの会社に対する手続しかやっていなかったそうです。

次に分析的手続の失敗。
アンダーセンの監査人は、分析の結果「前期、前々期と比べて異常が変動ない」ということで、問題ないと判断したようです。前述したようにROEを毎年42%の水準に操作しているのだから、異常な変動など表れないのが当たり前。むしろ同じ時期、同業他社の業績は一様に下降線を辿っていました。これは同業者の目で見ると、あまりに判断のレベルが低い。

最後に会社に対する姿勢の問題。
ワールドコムは、アンダーセンにとっての「Crown Jewel」でした。つまりワールドコムのような巨大企業をクライアントに持つ、というのはステータスだったわけです。現に長期的関係を維持したいがために、監査報酬を少なめに請求していたようです。昔ほどではないにせよ、こういう発想はこの業界あるんですよね。。。

会計監査以外にも、Board Meetingに虚偽の資本的支出の計上額が報告されたり、自社株で信用取引をしていて追証が払えなくなったEbbers CEOに会社が無担保で貸し付けたり、債務保証したり、もうめちゃくちゃ。。。こんなひどい会社知りません。300億ドルの売上の会社を完全に私物化。


結局2002年に、内部監査室長だったCooper女史によってワールドコムの不正は明るみに出ます。99年から2002までの税前利益の過大計上は70億ドル、資産計上額1000億ドル以上のうち、実に800億ドル以上が損失処理され、ワールドコムは倒産。Ebbers CEO、Sullivan CFOといった中心人物たちは次々と法の裁きを受けることになります。ちなみにCooper女史はTime誌の2002年「Persons of the year」のひとりに選ばれています。


ケースも数多く読んでいると、上手い書き手というのはあるもので、トピックへの関心もあり今回のケースは実に楽しんで読めました。CFOがCooper女史に、資本的支出の監査を断念するよう恫喝したり、不正処理を嫌がって辞職しようとする経理担当の引き留め工作を謀ったり、生々しい描写が多い。

中でも、システムに詳しい内部監査担当が、本来無いアクセス権を駆使して会社の会計システムに侵入し(このあたりも内部統制機能してないような(笑))、証拠隠滅されないために、窓の無い小部屋で情報をCD-ROMにとりまとめるくだりなど、人間くさくて実におもしろいです。「社交的な3人の子供のパパ」ってそんな情報別にいらんやん(笑)。

圧迫的な企業風土、倫理観の無いトップ、張子のBoard、効かない内部統制、不透明な会計処理と、ワールドコムには監査上の危険性を高めるありとあらゆる要素が詰まっています。監査論のケーススタディとしては最適の事例といえます。自分は絶対に関わりあいたくないですが。

最後にFinancial ControllerであるMyers氏の弁、
「The entries(不正な仕訳)should not have been made, but once it had started, it was hard to stop.」
粉飾は麻薬と同じ。1回やったら止まりません。そんな事例も見てきました。皆さん、やったらだめですよ。

2012年10月24日水曜日

成功報酬型祝い金求人サイト






史上最年少東証一部上場社長の素顔とビジネスモデル


プレジデント 10月24日(水)8時0分配信







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写真・図版:プレジデントオンライン



■経営者になることを決めたのは小学生の頃




 連続して記録更新だ。昨年12月、村上太一社長率いる株式会社リブセンスが東証マザーズに上場を果たした。上場時、25歳1カ月。それまでの最年少記録だったアドウェイズ岡村陽久社長の26歳2カ月を大幅に更新した。さらに今年10月1日には東証一部へ市場変更。キャンドウの城戸一弥社長を抜き、東証一部上場の最年少社長となった。村上は、屈託のない笑顔でこう語る。




 「記録更新は狙っていました。会社を起こしたのは19歳のとき。最年少で上場が可能なスケジュールでしたから、それならいっそ目標にしてみようと」




 リブセンスは、アルバイト求人サイト「ジョブセンス」の運営で急成長を遂げた。求人サイト事業は、媒体のブランド力がものをいう。なぜ後発の同社が躍進できたのか。その背景には、業界の常識を覆した独自のビジネスモデルがあった。




 一般的な求人サイトは、求人企業からの求人広告をメディアに掲載した時点で料金が発生する。一方、ジョブセンスの場合、求人情報の掲載は無料。採用が決まった段階で課金される成功報酬型だ。求職者の集め方もユニークだ。ジョブセンスを介して採用されれば、求職者は最大2万円の「祝い金」がもらえる。これが他サイトとの差別化になった。




 祝い金制度は集客だけでなく、成功報酬型の弱点を補う効果もある。成功報酬型の場合、採用の決定を隠す企業も現れかねないが、採用が決まれば求職者から祝い金の申請があり、企業はごまかしがきかない。じつによく練られたビジネスモデルだ。




 アイデアの原点は、高校時代にあった。バイトを探していた村上は、飲食店やコンビニの店頭でバイト募集中の張り紙を見かけるわりに、それらの情報が求人サイトに載っていないことに気づく。仕方なく自転車で隣町まで張り紙を探しに行ったが、「IT時代なのに、ネットではなく自転車か」という不満が胸に残った。




 「不満の解消がビジネスの基本です。なぜ張り紙をする店がネットに求人情報を載せないのかと調べていたら、掲載に広告料がかかることがわかりました。そこから今の成功報酬型モデルの原型を思いつきました」




 高校生の時点で既に起業家精神に溢れていた村上だが、経営者になることを決めたのは小学生の頃だった。




 「昔から人に喜ばれることに自分の幸せを感じるタイプで、それができる職業に就きたいと考えていました。たまたま両祖父が経営者で、選択肢の1つになった。身近に政治家がいたら、そっちを目指していたかも」




 高校入学後、簿記とシスアドの資格を取り、起業家向けイベントに参加して仲間を集めた。早大進学後、1年生にしてビジネスプランコンテストで優勝。オフィス1年間無料の特典をえて、翌年に仲間4人と会社を立ち上げ、開業資金300万円を節約するため、登記は自力でやった。




 そこから6年弱で上場を果たし、今や村上は20代を代表する起業家の1人になった。若者の安定志向が強まる中で、起業して積極的にリスクを取りにいく最年少社長の姿はひときわ目立つ。しかし、本人は「リスクは嫌い」という。




 「これからの時代、企業や年金に頼ることのほうが怖い。本当の安定とは、個人でもしっかり生きていける力を身につけること。そういう意味では、私も安定志向です」




 現時点の自分の力に満足しない。




 「イーロン・マスク(スペースX社・テスラモーターズCEO)のように、次々と事業を生み出していく人に憧れます。若いということは、成長の余地があるということ。これからも、変わり続けたいですね」

2012年10月16日火曜日

商品情報あえて見せず 闇鍋商法、ヒットの秘訣 小さなヒントで好奇心刺激


商品情報あえて見せず 闇鍋商法、ヒットの秘訣 
小さなヒントで好奇心刺激

2012/9/22 20:41
何が鍋の中で煮えているのか、食べてみるまでわからない。そんな「闇鍋」のように、あえて商品・サービスの中身を明かさずに売る手法が最近目立つ。「買い物で失敗するのを避けたい」心理が広がるなかで、なぜ消費者は受け入れるのか。ヒット・不発の事例から、上手に情報を隠す闇鍋マーケティングの勘所を探る。
 
CD・本、タイトル・作者隠し感性に訴え
ジャケットを隠し、手書きのメモと試聴だけでCDを販売する残響shop(東京都渋谷区)
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ジャケットを隠し、手書きのメモと試聴だけでCDを販売する残響shop(東京都渋谷区)
 JR渋谷駅から歩いて10分ほどの路地にたたずむ「残響shop」は、インディーズレーベルを抱える残響(東京・渋谷)が運営するCD店。この面積約90平方メートルの店が7月下旬からにわかに活気づいた。8月の売り上げは前月の4倍に。きっかけは音楽の「闇鍋」だ。
 保護カバーが付いた約80枚のCD―Rが大型テーブルの上に並ぶ。ジャンルはロックからジャズ、クラシックにわたるが、ジャケット写真はおろかタイトルも歌手名もない。「ノスタルジックに浸ってみたい人に」「闇にまどろむ女性ボーカル」という手書きメモのみ添えられている。
 客はメモを読んで気になるディスクをプレーヤーで試聴。購入を決めると初めてCD本体を見せられ歌手やタイトルがわかる。「自分の耳だけを判断基準にして買ってほしかった」(田畑猛店長)。専門学校生の女性(20)は「インターネットでは検索できない作品が聴けて、自分の音楽の幅が広がる」と話す。
本の書きだしが印刷されたオリジナルカバーの書籍(東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店)
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本の書きだしが印刷されたオリジナルカバーの書籍(東京都新宿区の紀伊国屋書店新宿本店)
 同様の仕掛けで最近話題を呼んだのが紀伊国屋書店新宿本店(東京・新宿)のブックフェア「ほんのまくら」だ。文庫本100冊は特製カバーに書きだしの文章(まくら)のみを印刷。16日までの2カ月弱の期間中に1万8600冊売れた。
 情報を隠せば客は商品に対して先入観を持たない。「この歌手は知らない」「あの作家は難しそう」と、作品の中身に触れる前に購入をやめてしまうこともない。そこにメモやまくらといった、感性に強く訴える小さな「手掛かり」だけを示すと、客は興味を引かれ、作品の中身に対する想像力を刺激される。そしてこの手掛かりを頼りに、自分に合う商品を吟味することになる。
 わずかに与える情報が印象深いほど、客の心理の中で商品の本質が際立つ。電通総研の吉田将英研究員は「消費者を、本当に知りたい中身に触れさせることに成功した」とこの手法を評価する。

感性などに訴える商品では手掛かりすらないと客は戸惑う。失敗例は2007年に渋谷のミニシアター、シネマ・アンジェリカ(10年閉館)が開いた「ブラックシアター」だ。タイトルなどの作品情報を一切公開せずに上映。映画好きの来場を見込んだが、結果は2週間で約200人。「告知の仕方などに反省が残る」と企画・配給したDEP(東京・新宿)の佐伯幸子取締役は話す。
味隠した菓子、会話のネタを提供
 闇鍋商法では会話の「ネタ」を提供するような素材選びも効果的。味を明かさない菓子が好例といえる。味覚は個人差が大きいだけに、自分の体験が話題になりやすい。交流サイト(SNS)を起点に話題のスパイラルが起きればヒットが期待できる。二の矢、三の矢をつぐ工夫も重要だ。
パッケージに味を表示しないストライドストライプ・メガサプライズ味(東京都練馬区のいなげや練馬上石神井南店)
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パッケージに味を表示しないストライドストライプ・メガサプライズ味(東京都練馬区のいなげや練馬上石神井南店)
 日本クラフトフーズ(東京・品川)が昨年6月発売してヒットしたガム「ストライド メガミステリー」(136円)は今年1月からシリーズ化した。ブランドマネジャーの盛泰輔さんは「様々なミステリーをまぶしたことが成功の要因」と話す。パッケージに大型クエスチョンマークを配して目を引き、CMは消費者に「何味か分からない」感覚を動作で表現してもらい話題を呼んだ。
 カンロが5月に期間限定発売した「ピュレグミ」の「秘密の恋味」(店頭実勢100円程度)は、SNS上で「ベリー味」「バラの香り」と自分の味覚を表現するコメントが相次いだ。カルビーが4月に期間・販路限定で売り出した「ポテトチップス 謎の味」(128円)は、ツイッターの「気になる画像」ランキング3位に入った。
 ただし同じブランドでの展開はいつか賞味期限もくる。森永製菓は08年8月から「ハイチュウ」の袋詰め品「ひみつのハイチュウ」を期間限定販売してきた。第1弾は想定のほぼ倍が売れたが、徐々に新鮮さが薄れ、11年秋の第4弾は売り上げが減少。今年5月には別シリーズに切り替えた。

旅行ツアー、宿泊・食事のお得感示し集客
 闇鍋商法の“老舗”は旅行の行き先を明示しない「ミステリーツアー」だ。福袋と同様、場合によっては在庫処分の側面も持つ。ただ、客にとっては決して安くないのでハズした時の不安感がある。そこで集客の決め手となるのが「お得感」を示す情報の開示だ。
阪急交通社のミステリーツアーは行き先を隠し、豪華さを訴える
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阪急交通社のミステリーツアーは行き先を隠し、豪華さを訴える
 9月上旬の土曜日、新幹線のグリーン車でJR東京駅を出発した阪急交通社のツアー。タイトルは「2泊とも弊社最上級Sランクホテルに泊まる ミステリーツアー3日間」(2万9900円)だ。旅行地のヒントはパンフレットの「涼しさを満喫できる観光地へご案内」の一文のみ。この日はシニアを中心に40人超が参加した。全催行日で500人の目標に対し800人以上が申し込んだ人気商品だ。
 「1番引かれたのがホテルの『Sランク』。皇室の方も泊まられたというので、どんな施設か想像するだけで楽しみ」。女友達(58)と参加した都内の女性会社員(45)は目を輝かせる。
 ツアーを企画したメディア営業一部の村上浩和さんは「ミステリーツアーで重要なのは、通常より満足度を上げることで旅慣れたリピーターの心を強くつかむこと」と話す。日帰りなら食事やお土産、宿泊なら露天風呂やホテルのランクといった、顧客の期待度が高いものは、時に写真を入れて訴求することもある。
 購入して得られる費用対効果の高さ、いうなれば達成感を巧みに示して安心感を呼ぶ戦術が奏功し、同社のミステリーツアー参加者は急増。12年度は9月までの5カ月強で参加者(予約客含む)は数万人に達し、すでに11年度通年の参加者の約2倍に達している。

2012年10月5日金曜日

イトーヨーカ堂とイオン


イオンは、とっくに従来型総合スーパーの運営に見切りをつけたからだ。両社はショッピングセンター事業を中核に据え、総合スーパーの中に「敵」だった専門店を導入。その集客力を取り込んだ事業モデルに転換した。
 ヨーカ堂は自前の売り場再生にこだわった。



成功の記憶、ヨーカ堂改革の足かせに(真相深層) 
セブン&アイ、好調コンビニにもあぐら

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2012/10/3 3:30
 セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂が今後3年で正社員数の半減に踏み切る。パート比率を9割まで高め、収益力の傷んだ総合スーパーの運営を抜本的に立て直す。1990年代、小売業の先頭を走っていた優等生はいつの間にか他社の後じんを拝していた。売上高5兆円を超える巨大小売りグループがはまった落とし穴は何だったのか。
 ヨーカ堂は2015年度までに現在の正社員8600人を半分に減らし、グループのセブン―イレブン・ジャパンなどへ転籍を促す。既に募集を開始、現在までに約200人が応じたという。
■衣料品低迷続く
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 「今回は一大改革。スーパーのあり方を全部変える」と鈴木敏文セブン&アイ会長(ヨーカ堂会長)は強調する。ヨーカ堂は衣食住を扱う総合スーパー173店(12年2月期末)を展開するが、12年2月期の営業利益率は0.8%。ライバル、イオンの総合スーパー運営会社イオンリテールは2%、広島地盤のイズミは4%で、競争力で劣るのは明白だ。
 しかしヨーカ堂はもともと業界屈指の高収益で知られていた。逆転はなぜ起きたのか。
 93年2月期、ヨーカ堂はピークに当たる営業利益839億円をたたき出した。快走を支えたのが、「業革」と呼ばれる取り組みだ。業革は品ぞろえや在庫管理手法などを部長級以上の幹部社員が定期的に徹底討議、各店にフィードバックする。指揮を執ったのは当時副社長の鈴木氏だ。
 それから20年。鈴木氏はなお業革の先頭に立つが、業績は浮上しない。主因はかつて利益の半分を稼いだ衣料品が2000年代半ば以降、赤字に陥ったことだ。総合スーパーの独壇場だった低価格衣料は「ユニクロ」など専門店に完全に奪われた。スーパーの衣料品売上高は11年度に1兆3780億円と20年前の約3分の1。「スーパーは専門店に価格や品質で劣るというイメージが消費者に染みついている」(アパレル幹部)。品ぞろえなどをいじるだけでは改善できない差がある。

それでもイオンやイズミが利益率を維持できるのは、とっくに従来型総合スーパーの運営に見切りをつけたからだ。両社はショッピングセンター事業を中核に据え、総合スーパーの中に「敵」だった専門店を導入。その集客力を取り込んだ事業モデルに転換した。イズミの売上高に占めるテナント売上比率は前期で35%。一方、ヨーカ堂は18.6%(一部賃料を除く)と半分程度だ。
 ヨーカ堂は自前の売り場再生にこだわった。この10年は伊勢丹出身の「カリスマバイヤー」を招くなどして衣料品の自社開発を進めたが不発。09年には30店の閉鎖を打ち出したが復興特需もあり、実際の閉鎖店は20店に達していない。現在、ヨーカ堂の平均店舗年齢は20歳とイオンより5歳高い。業革を含む「成功体験の強さから構造改革が遅れた」(大和証券の企業調査部チーフアナリストの津田和徳氏)。
■79歳会長の挑戦
 もう一つの違いは、グループでセブンイレブンという高収益企業を抱えること。イオンやイズミは総合スーパーが主力で、その改革から目を背けるのは不可能だ。セブンイレブンの12年2月期の営業利益は約1800億円で、ヨーカ堂の不振は覆い隠される。
 鈴木氏は自らが創業したセブンイレブンやセブン銀行について能弁だが、ヨーカ堂改革を語ることは少ない。「相対的なヨーカ堂に対する執着心の薄さが改革を遅らせた」(セブン&アイ関係者)。リストラに二の足を踏むのは、ヨーカ堂創業者である伊藤雅俊名誉会長への“気兼ね”もありそうだ。信用を何より重視する伊藤氏は店舗閉鎖や人員削減に批判的。鈴木氏も「雇用や地域を考慮すると資本の論理ではつぶせない」と話す。
 再来月には80歳を迎える鈴木氏。ようやく業界では例を見ない改革に踏み出す。「(企業)体質は頓服を飲んで治るような簡単なことではない」。新しいスーパーの経営モデルづくりへ向け、もはや聖域はない。(編集委員 中村直文)

2012年10月4日木曜日

添い寝屋

誰しも、寂しさや孤独にさいなまれて、眠れないときがある。
そんなときに、寄り添って寝てくれる誰かがいれば?その願いを叶えてくれる画期的なビジネスが登場! その名もずばり「添い寝屋」
究極の癒しは添い寝です。

アメリカ・ニューヨークで大ブームの添い寝屋が日本でオープンいたします。
一言で添い寝と言っても添い寝の仕方は100通りあると言われてます。
オタクの聖地、秋葉原に堂々9/20オープン!!

店舗に来店して頂いて添い寝する方法と自宅やホテルに出張も致します。
パジャマやスエットはもちろん、メイド服やコスプレ姿で萌萌添い寝しちゃいます。
※性的なサービスは一切ありません。



ソイネ値段
●入会金 3000円
●初回のみ 40分 3000円
通常
20分 3000円
40分 5000円
60分 6000円
120分 11000円
180分 16000円
4時間 20000円
5時間 25000円
6時間 30000円
10時間 50000円(指名料サービス)
指名料 1000円(1時間毎500円)
*指名料は本指名以外はかかりません。
●オプション
お客様が女の子に腕枕 3分 1000円
女の子がお客様にトントンする 3分 1000円
お客様が女の子の頭をいいこいいこする 3分 1000円
見つめ合う 1分 1000円
着替え 一着 1000円
リフレ 3分 1000円
逆リフレ 3分 2000円
膝枕 3分 1000円
逆膝枕 3分 2000円
※女の子によって出来ないオプションもございます

2012年9月27日木曜日

出稼げば大富豪、好き嫌いで仕事を選ぶより「まずは稼げ」と超大金持ちアニキ






年800人が教え乞う金持ちアニキ「成長するのは失敗した時」


NEWS ポストセブン 7月12日(木)16時6分配信


 インドネシア・バリ島の住民で「アニキ」こと丸尾孝俊氏(46)を知らない人はいない。食うにも困るほど貧乏だったアニキは、日本からバリに渡り、不動産ディベロッパーとして成功し、「試算することができないほどの資産」を持つ、超ウルトラ大富豪になった。

 

 いまや30社のオーナーで、かかえる従業員は5300人、自宅は25軒という世界レベルだ。その秘訣を知ろうと、日本から年間800人がアニキの元を訪れ、著書もベストセラーに。本誌が直撃すると、アニキは二つ返事でバコーンとその極意を、遠く離れたバリから教えてくれた。




【初対面から「自分の恥」をバコーンと晒せ】




 仕事で成功するには、とにもかくにも周囲の人たちと信用関係を築くのが大事だというアニキ。

 

「初対面から完全に本音丸出しで、パーンと飛ばしていくのがええねんて。開口一番、『はじめまして、僕、30歳までオネショ炸裂してました』とかな。思ってもいない社交辞令ばっかりをいうヤツと、相手を信用して本音丸出しでバコーンと自分の恥をさらしていくのと、どっちが親しくなれると思う?」

 

 こちらが答える間もなく、アニキが続ける。

 

「最初から『自分の恥』を出してくる人は、相手を信用している証拠やから共感を持たれるし、信用されるんや」




【失敗は他人事にするな! 自分ごとにせえ!】




 1回や2回どころか、何百回もの失敗をくり返してきたというアニキ。アニキによれば、人間が本当に成長するのは、実は失敗した時だけだという。さらに会社がうまくいく秘訣も失敗にあるとか。




「一番ええのは、失敗を共有することや。例えば部下が失敗したら、上司はそれを『自分の責任』にする。失敗を他人事ではなく、自分事にできるかどうか。それができれば、会社の一体感につながるわけや」




 さらに失敗した部下や仲間を励ます決めゼリフを、教えてくれた。




「『オレも、そうやったんや』もしくは『オレも、一緒やねん』。これいったら、もう完全にOKや」




※週刊ポスト2012年7月20・27日号





兄貴(丸尾孝俊)official Web


anikiwakyo.jp/ - キャッシュ共有

バリ島に住むバケラッタ級の大富豪アニキ「丸尾孝俊」公式サイト。関連書籍:出稼げば大富豪、ホンマもんの成功法則、大富豪アニキの教え。






好き嫌いで仕事を選ぶより「まずは稼げ」と超大金持ちアニキ
2012.07.10 16:00
 インドネシア・バリ島に住む「アニキ」こと丸尾孝俊氏(46歳)の元を訪れ、大富豪になる秘訣を知ろうとする人は今や年間800人。食うにも困るほど貧乏だったアニキは、日本からバリに渡り、いまや「試算することができないほどの資産」を持つ大富豪だ。


 アニキは不動産ディベロッパーとしていまや30社のオーナーで、かかえる従業員は5300人、自宅は25軒という世界レベルの大富豪だ。アニキはいかにして成功したのか。「金持ちになるとっておきの秘訣」を、直々に指南してもらった。


【ごっつい儲かる仕事を選べばええねん!】


 どうせ稼ぐなら、自分の好きなことを仕事にして稼ぎたいと誰しも思うだろう。特に若い世代では「自分にあう天職を見つけたい」という風潮が強く、会社をすぐに辞める若者が増えている。アニキにどう思うかを聞くと、こう即答。


「あのな、正直、『なにをいってるんかな?』と思うわ。『好き』『嫌い』で仕事を選んではアカンのや」


 じゃあ、どうやって仕事を選べばいいのか。


「『仕事=お金儲け』に置き換えてみるんやて。要するに『ごっついお金が儲かる仕事』を選択すればええんや。年収3000万円とか稼いじゃったら、ほとんどの人はその仕事を好きになっちゃうんじゃないか?」


 そういうものか。確かにたくさん儲ければ、儲けたお金で自分の好きなことは山ほどできる。


「お金を設けてしまったほうが早いってことやねん」


 ぐだぐだ考える前に、まずは稼げ。アニキは得意そうにこういうのであった。


※週刊ポスト2012年7月20・27日号

2012年9月17日月曜日

全巻ドットコム 四畳半からの出発


世界にはばたき出した日本の文化-「漫画」。2006年8月、この漫画を全巻セットで販売する世界初のサイトとして立ち上がった「漫画全巻ドットコム」を運営するTORICO(トリコ)の社長でデジタルハリウッド大学院生の安藤拓郎さんに同社の変遷や、昨今の漫画事情について話を聞いた。(以下、敬称略)
■TORICOの変遷-四畳半からの出発
安藤さん-初めに、TORICO設立までの話をお聞かせください。

安藤「海外に向けてビジネスを展開したいという思いがあり大学卒業後、外資系の日本オラクルに入社しました。ですが、外資ではあるものの日本法人のため国内向けの営業がメーンで、なかなか海外につながるような仕事ができないということに入ってから気付きまして…(苦笑)。そのため、早期優遇退職制度を使って退職し、1年ほどアメリカで生活して帰国した後、三井物産に入社しました。そこで中国とのビジネスに関わっていくうちに、中国のスニーカー工場の方と知り合いになり、『オリジナルのスニーカーを中国で作って日本で販売したらおもしろいのではないか』と思い立ち、TORICOというブランドを立ち上げて高校からの友人と副業で靴を売り始めました。それがそこそこ売れたんですよ。その話をベンチャーキャピタルに持って行ったところ反応が良く『すぐにでも投資するので、起業した方が良い』という話になりまして、もともと友人と2人で何かやりたいという思いもあったので、三井物産を退職して2005年に弊社を設立しました」
-なるほど。
安藤「ところがいざ起業してみたところ、副業時に売れていたスニーカーが全く売れなくなり、暇をもてあます日々を過ごすことになってしまったんです。そのため、『これじゃまずい』と友人と2人で毎日さまざまなビジネス案を出していったところ、『コミックやDVD、ピザやコーラがセットで土曜日の朝に届くような、週末ひきこもりセットとかがあったら嬉しくないかな』という案が出たんです。その案をきっかけに、まずは『コミックを全巻セットで家庭へ届けるサービス』を始めようということになりまして、早速自分でサイトを作り1週間後にはそのお手製のサイトで漫画全巻セットの販売を始めたところ、スタート月で靴の売り上げだけでなく、前年度の売り上げを抜くほどの反響があったんです。物が売れない時期が長かったため、売れることの楽しさを感じましたね。靴は相変わらず売れてないんですが…(笑)。それでどんどんタイトルや広告を増やし始めたところ、さらに売り上げが増加。それまで、家賃3万5,000円のトイレもない四畳半のボロアパートの1室で、自分たちで販売する商品をかき集めて、部屋中に在庫の漫画を山盛りにし、それを自ら夜に出荷するような毎日だったんですが、おかげさまでアキバに事務所を借りたり、舞浜に倉庫を借りることもでき、やっと最近になって自分たちが汗水たらさなくても出荷できる体制が整ってきました」
安藤さん-当初から新品本を取り扱っていたんですか?

安藤「いえ。完全に中古です。つてもなかったので、2人で地域を決めて本屋をバイクでまわって商品を集めて、夜に出荷するような流れでした(笑)」

-シリコンバレーの絵に描いたようなガレージから成功をつかんだ感じなんですね(笑)。

安藤「ガレージ以下の所で始まっていますけど(笑)」

-ちなみに、現在は新品本のみの取り扱いとのことですが、中古本から新品本に取り扱いを切り替えた時期はいつ頃ですか?

安藤「昨年の9月頃です。それまではずっと中古本のみを取り扱っていて、途中から新品本も扱い出し、売り上げ的には切り替える直前で中古6対新品4くらいでした。利益が中古本の方が大きかったため、切り離すのも非常に勇気が必要だったんですが、やはり新品本でやっていかないと出版社の応援も受けられないでしょうし、中古本だと流通量が限られてしまっているためブーム性のあるものは、お客様の注文に対応できないだろうと思ったため、新品本のみに切り替えました。当時『DEATH NOTE』がブームになって、在庫を集めるのが大変だったんですよ。新品本だと大きな数で比較的安定して手に入れられるので、切り替えて良かったと思います」
-新品本に切り替えて売り上げは伸びましたか?
安藤「切り替え当初は売り上げが半分くらいに落ちたんですが、今は中古・新品両方売っていた時期よりも売り上げが上がっています」
-一番苦労されたのはいつ頃ですか?
安藤「四畳半部屋だった立ち上げ期ですね。楽しかったですが大変でした。あとはその後に引っ越して八王子に拠点をおいていた頃でしょうか。人員不足だったことに加えて、エレベーターもクーラーもないところだったため、毎日100箱くらいの本が建物の1階に届くんですが、それを3階まで運ぶ作業が過酷で、みんなゲッソリやせちゃいました(笑)」
■ユーザーには女性も-イケメンドラマが売り上げに
安藤さん-ところで、漫画全巻ドットコムではさまざまなジャンルの漫画を取り扱っていますが、どういったときに売り上げが大きく動きますか?

安藤「ドラマ・映画の放映やDVDの発売時などでしょうか。ちょっとしたきっかけで一瞬にして売れるんですよ。あとはテレビですね。例えば、リアル店舗だと顧客は商品を目で見て選ぶと思いますが、ネット書店だとPCを開きながらテレビを見ている人が、芸能人が発した一言で『読んでみたい』と思って購入されるケースが多いためテレビとのシナジーは強いです」
-そういえば、中川翔子さんのブログでも取り上げられていましたね。
安藤「あの件は反響がすごく大きかったです。サイトが落ちてしまいましたから(笑)」
-中川さんのブログ掲載で売り上げは伸びましたか?
安藤「大きく伸びました。2倍くらいに伸びて以降、売り上げが下がらず右肩上がりです。最初、自分も何が起きたかわからなかったんですよ(笑)。突然、売り上げがものすごく伸びて『なんだこれは!?』と調べてみたところ、中川さんがブログに掲載してくれていたと。中川さんがお客さんだったことも知らなかったんです。余談ですが、当時は『まんが全巻』という『まんが』がひらがなのサイト名だったんですが、中川さんがブログに『漫画全巻』と漢字で書いていたため、次の日から中川さんにならってサイト名を『漫画全巻』に変えました(笑)」
-そうなんですか(笑)。あとは、どんなときに動きがあるんですか?
安藤「コミックのパチスロ化だったり、『島耕作が社長になる』などちょっとしたネタでも連動します。本当に他媒体との連動は強いですね」
-なるほど。でも、その動きに合わせて仕入れをするのは大変じゃないですか?
安藤「大変です。映画化など大きなネタはある程度おさえられるんですが、突発的なネタには対応できないので、多少お待ち頂くという状況が発生しています」
-最近だと、「ルーキーズ」が1番の売れ筋ということが御社の売り上げランキングで出ていましたね。 

漫画全巻ドッとコム安藤「ここ2~3カ月はドラマの影響で『ルーキーズ』が一番出ていますね。『漫画全巻ドットコム』がオープンしてから一番売れているコミックです。『ルーキーズ』の前は『クローズ』や『花より男子』などの売り上げが良く、系統的にイケメンが出演するドラマが強いですね」

-コミックには少女漫画から青年漫画までさまざまなジャンルがありますが売れ筋はどれですか?

安藤「『漫画全巻ドットコム』サイト内で少女漫画はタイトル数が少ないんですが、その割には女性のお客様が多いです。その方々が『ルーキーズ』『クローズ』など今までは絶対に読んでいなかったであろう作品を買われているので、漫画の裾野が広がっていることを感じます。主婦などの女性ユーザーが男性向けコミックを読むというハードルは越えられたので、次は彼女たちが定番系を手に取るなど今後も裾野が広がっていくんじゃないかと思います」
-「漫画全巻ドットコム」のメーンユーザーはどの層ですか?
安藤「単価が高いため、20歳代後半~30歳代のビジネスマンのほか主婦層が多いです」
-主婦層が多いんですか?
安藤「多いですね。ヘビーユーザーを調べたことがあるんですが上位10人中8人が女性で、しかもその方たちは『もう読み終わったんですか?』というようなハイペースで買っていかれます(笑)」
-全巻単位だと、何冊くらいのものが売れ筋ですか?
安藤「1番売れるのは30冊前後です。『ルーキーズ』も『スラムダンク』も30冊くらいですね。値段的にも量的にも手ごろ(1万円前後)ですし、本屋でもまとめては買いづらかったり、ネットショップでも30回カートに入れる手間があったりするからでしょうね。あとは30冊くらいだと、週末を潰して読むのにちょうどいいボリュームなんでしょうね」
■中小書店の生き残りとウェブ×週刊コミックの連動
安藤さん-ところで、昨今の書店業界は御社やアマゾンのように好調なネットショップがある一方で街の本屋さんが潰れたりしていますが、これは時代の流れなんでしょうか?

安藤「売り方を工夫するとまだまだ先はあるんじゃないかなと思います」

-特定のジャンルに注力した書店は生き残っていますもんね。

安藤「小さなショップで商品を全包囲してしまうと生き残りが厳しいかもしれませんね。最近は小さな書店が減っている一方で、大手書店の敷地面積が広がっている現象が物語っているように、どんどん大手に寄っているんですよ。ですので、例えば雑誌だったら全商品、バックナンバーまで置いているような大手に対抗しうる個性を打ち出していかないと、僕たち含めて苦しい状況が続くでしょうね。我々も小さいアマゾンのように展開していたら、まったく売れなかったでしょうし」
-「週刊ヤングサンデー」の休刊など、漫画業界からあまり明るい話題を聞きませんね。
安藤「今の若い人たちって、週1回や月1回のサイクルが待てなくなってきているんですよね。ネットでは色んな情報が世界中から秒単位で入ってくるのに対し、週刊誌や月刊誌は週・月に1回しか届かない。それに付き合っていくのが億劫になっている人たちが増えてきているんじゃないかと。すぐには難しいとは思いますが、例えば毎日数ページずつネットやモバイルでUPされるような、読者層のスピードに対応したやり方ができれば状況は変わってくると思います」
-なるほど。
安藤「現在、我々は週刊コミック雑誌と連動したような動きができないかと考えています。例えば、週刊コミックの購買促進キャンペーンを僕たちの方でできないかなと。『漫画全巻ドットコム』のユーザーは漫画好きだけど単行本しか読んでいない層が多いので、彼らに週刊コミックを読んでもらえるような、良い循環を作れたらと思っています。コミック雑誌がなければコミックも無い訳ですから」
-個人的には、世に出ているコミックを全巻買ったとしても、その続きを次の週の週刊コミック雑誌で読めないじゃないですか。あのタイムラグが…。
安藤「将来の夢ですが、全巻と週刊コミックの間にある何話かのラグを電子コミックで埋めるようなことができるといいなと思います。ラグさえ読んでしまえば、全巻から週刊コミックにジョイントできるので。そういう流れを作れたらコミック雑誌、コミック両方にとっていいんじゃないかと思います」
■注目される街-秋葉原
安藤さん-御社は秋葉原に拠点を置かれていますが、最近の秋葉原についてどのようにお考えですか?最近は痛ましい事件も起きてしまいましたが…。

安藤「こういう言い方は語弊があるかもしれませんが、ものすごく注目されているんでしょうね。以前だったら渋谷や新宿で起きるようなことが秋葉原で起きているわけです。今回の事件で逮捕された犯人は東京の人じゃないですよね。『どこに行こう』と考えたときに秋葉原が思い浮かんでしまったということは、秋葉原が指折りの都市になっている証拠なんだと思います。10年前に今回の事件が起きていたとしたら『何でアキバ?』って感じていたかもしれませんが、今だったらあまり違和感がないですね」
-秋葉原の観光地化もめまぐるしいですよね。
安藤「そうですね。歩行者天国廃止の動きに代表されるように、規制が強くなっていくのは残念ですね。いい意味で『おかしい街-秋葉原』は僕個人としては楽しかったです。他にないじゃないですか。渋谷や新宿は似たような雰囲気ですけど、秋葉原は日本のどこにもないようなクレイジーな面が強く、海外の人も楽しめますし」
-安藤社長にとって秋葉原はどんな立ち位置ですか?
安藤「現在、漫画でビジネスを展開していますのでその足場としては最適な街ですし、ブランド力も持ち合わせた街ですよね。今後、ビジネスを海外にも展開していく予定ですので、『会社が秋葉原にあります』と海外の人に自己紹介したら、『シリコンバレーから来ました』みたいなイメージを持ってくれると思います(笑)」
■漫画を世界に-安藤社長の夢
安藤さん-最後に、安藤社長の夢や目標をお聞かせください。

安藤「今後は取り扱い商品を漫画全巻だけでなくDVDやアニソンCDなどに派生させていきたいですね。あとは、昔から海外に向けてビジネスを展開したいと思っていましたし、社名の『TORICO(トリコ)』も世界をトリコにするという意味を込めているので、今年中には多言語化して現地から出荷できるようなシステムを整えて、まずは韓国や台湾など近い国から漫画を広めていき、ゆくゆくは世界に広めていきたいというのが大きな夢です」
-ありがとうございました。
【あとがき】
四畳半から世界を目指す安藤社長。シリコンバレーのガレージから創業したアップルやHPのような将来の大企業の社長にインタビューをしているような気がした。アキバに事務所を置き、漫画を中心に世界へ進出。絵に描いたようなクールジャパンのサクセスストーリーである。アキバ経済新聞はこれからも安藤社長とTORICOに注目していきたい。

日本一幸せな会社、未来工業


岐阜の片田舎で劇団員たった4人で創業して45年。
後発ながら大手も敵わぬトップ商品を連発、仕事のノルマもなければタイムカードも残業もなし。休日数は日本一と言われる、社員にとって"理想郷"の会社。
"ドケチ経営"で注目を浴びる創業者・山田昭男が吠える!
「会社は自分のものだ!自ら考え、自ら良くしろ!」

ケチケチ会社の実態は…大手も勝てぬ、業界トップシェア

田んぼの中にたたずむ未来工業本社を訪れると…真っ暗な玄関。職場には、こまめに消すためにつけられた紐つきの蛍光灯、ドアノブなしでも開け閉めできるようにわざわざ改造したドア…と、とんでもないただのケチケチ会社に見える。だが従業員は8時30分に出社し、16時45分には退社していく。1日の労働時間は7時間15分、法定の8時間よりも短いのだ。そしてタイムカードなし、残業なし、ノルマなし…なのに、休日は一般企業より20日多い年間140日。盆・暮れは2週間休みがあることもザラ、という超ユニークな会社。
そんな"社員の理想郷"といえる未来工業は、壁に埋め込まれる電気コードの配線管やコンセントやスイッチの裏側の「スライドボックス」など、住宅関連の見えない部分を支える電気設備機器メーカーだ。しかもスライドボックスはシェア8割と、大手でも敵わない圧倒的に強い商品を数多く揃える。

誕生! 「考え抜く」社員たち

実は未来工業では、毎日1、2個は新製品が誕生しているという。そのおかげで、シェアトップのスライドボックスだけでも85種類も作っているのだ。取り付け穴が2個しかなかったものを4個に改良するなど、常に何かしらの改良で新商品が生まれ続けている。そんな社内のあちこちに掲げられているのは「常に考える」という標語ーー山田氏曰く「大手と同じものを作っていては負けてしまう、考え続けて差別化しろ!」これが全社員に徹底されているのだ。例えば営業社員にノルマはないが、ユーザーを必死に訪ねては、製品開発の種を拾い続ける。その結果、開発部門には全国の営業から毎日10件程の要望や提案が寄せられ、新商品化にこぎつけるのだという。「コストがかかるからダメとかではなく、どうしたら売れるか、客が便利だと思うものを『考え』ればいいんです」
そして「考え抜く」ための社内制度…改善提案は、全て1件500円で買い取りを行い、毎年1万件近く集まる。

ユニーク経営の基本――社員を大事にしてやる気を起こさせろ!

従業員780人の未来工業。ところがここには、派遣社員やパートはおらず、全員が正社員。育児休業は3年までとれるし、定年も70歳。さらに給与は地元・岐阜県庁と同等の高水準。山田氏の哲学は「社員の不満を解消するのが経営の仕事、社員のやる気をいかに起こさせるかが全て。アメとムチでなく、アメだけでいい」
そんな社内では、社員同士のサークル活動も盛んだ。ゴルフや将棋など、実はそうした活動に会社から月1万円が支給されている。さらに、今年は5年に1度の社員旅行がある。その行き先は、なんとエジプト!全額会社負担で500人以上が参加するという。社員がやる気になる待遇があれば、社員は応えて働くはず!それが山田流の経営術だ。

あなたの欲しいもの、海外で安く買ってあげます..


あなたの欲しいもの、海外で安く買ってあげます...
円高で注目を集めるショッピングサイトがある。その名は「バイマ」。世界65カ国で暮らす日本人2万3000人の個人バイヤーと契約し、彼らが現地で買ったバッグやアクセサリーなどのブランド品を、日本国内にいる80万人の会員に販売するというもの。この円高で、同じものを日本で買うより安く購入できるほか、日本では販売されない限定ブランド品なども手に入るとあって活況だ。
一方、海外で買い付けをする個人バイヤーの多くは、現地で結婚した主婦や、海外駐在員の家族など。自身のショッピングのついでに、商品の写真をサイトに出品。日本の会員から注文が来ればその商品を買って送るだけ。手数料などで手軽に小遣い稼ぎができる。

葉っぱビジネス


“葉っぱビジネス”

上勝町の笠松町長
上勝町の笠松町長
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山に落ちている葉っぱを集めて高級料亭に卸す――今や全国的な知名度を誇る徳島県上勝町の「彩(いろどり)事業」。高齢者がパソコンを使いこなしている点でも注目度は高い。上勝町の笠松和市町長は、2008年1月15日に開催された「NEC C&C財団シンポジウム 情報アクセシビリティ-国・地域・コミュニティの役割」において、その“秘密”の一端を披露した。
上勝町の“葉っぱビジネス”で取り扱っている、葉っぱは320種類あります。なぜこんなものが売れるかというと、都市部には季節感がないからです。節分ならひいらぎ、桃の節句には桃の花、といったようにイベントに合わせて出荷します。南天、もみじの葉、柿の葉は365日売れます。食事をしながらこういった季節感を楽しんでいただくのです。
 ですから、“葉っぱビジネス”では、必要なものを必要な時間帯までに、着実に届けられないと、ビジネスとして成り立たちません。多品種少量在庫のビジネスなのです。そのためには、パソコンはなくてはならないツールです。自分の売り上げがどうなっているか、どんなものが売れるのかというデータがないと、葉っぱを高く売れないからです。

どんな情報を流すかがポイント

では、なぜ高齢者がパソコンを使えるようになったのか。それには2つの理由があります。 
 まず、高齢者というのは若い人と同じような機械は使えません。例えば、マウスうまくが扱えないんです。そこで、専用のキーボードと大型のトラックボールを開発し、いろどり(葉っぱビジネスを行っている第三セクター)専用の操作が簡単なブラウザを搭載しました。経済産業省の実証実験で導入したのですが、高齢者が直感的に扱えるように工夫しました。
* 専用キーボードの形状などは笠松町長の講演資料を参照のこと。資料はNEC C&C財団のシンポジウム報告ページからダウンロードできる
さらに重要なのは、高齢者の方に「これは面白いな」と好奇心を持って見てもらえるような情報を作ることです。例えば、「いろどり」の専用ブラウザからは、自分の売り上げ順位を見ることができるようになっています。昨日の売り上げは3番だったとか、7番だったとか、15番だったとかいうことが分かるので、だんだんと面白くなってきます。「年金はあるし、別に稼がなくてもいいだろう」となりがちな高齢者の方にも、面白味を感じてもらえるような情報を毎日流さないとうまくいきません。いかに新しい生の情報を伝えてゆくかが重要です。
 上勝町では、国の補助金を活用して86%の家庭に光ファイバーが入ってます。そして高齢者の方がパソコンを使えるようにシルバー人材センターで講習も行っています。実は「パソコンは覚えなくていいし、テレビもいらない」という人もいます。もちろん、そういう人もいていいんです。ただ、「やりたい」「見たい」という意欲のある人を行政はバックアップしなくてはいけない。私はそう考えています。
 上勝町の高齢化率は48%ですので、全国でもトップレベルです。ありがたいことに、町の高齢者のみなさんは割合と元気で、県内では老人医療費は最低ということです。ですから、ビジネスとして注目を浴びている「いろどり」ですが、高齢者の人の生きがい作りになっているという意味も大きいと思います。

2012年7月16日月曜日

セル生産方式


セル生産方式

屋台生産方式 / cell production system / cell manufacturing system / cellular manufacturing system


 組み立て製造業において、1人~数人の作業員が部品の取り付けから組み立て、加工、検査までの全工程(1人が多工程)を担当する生産方式のこと。部品や工具をU字型などに配置したセルと呼ばれるライン(作業台、屋台)で作業を行う。
 大きなメリットとして、部品箱の入れ替えやセルでの作業員の作業順序を変えるだけで、生産品目(製品バリエーションなど)を容易に変更できることで、多品種少量生産への対応に優れていることがある。また、生産量の調整も、セル内人数の調整やセル数の増減によって対応しやすい。
 ライン生産(ロット生産)では、ライン上のどこかの工程の生産性や品質が低ければ、全体もそのボトルネック制約を受け、他工程の生産能力が無駄になる場合も考えられるが、セル生産ではあるセルが停止したり不良品を出しても、ほかのセルは独立して稼働しているので無駄は少ない。また、すべての仕事を担当者がスルーで受け持つ(丸持ち)ので、問題点や改善点が見えやすく、改善提案が多数期待できる。
 セル生産のデメリットとしては、1人が多工程を担当するので熟練するまでに時間がかかること、作業効率が作業者個人のやる気に依存するということなどが挙げられる。またデメリットとはいい切れないが、工員の長期雇用が前提となる。
 セル生産は、生産コンサルタントの山田日登志氏がトヨタ生産方式の「改善」「多能工」を進化させたもので、1992年にソニーの工場に導入されたのを皮切りに、エレクトロニクス製品の組み立て生産工程で採用されるようになった。当初は、比較的小型の製品に向いているとされていたが、その後工作機械や自動車などの分野でも導入が進み、アパレル分野ではセル生産方式のイージーオーダー縫製工場も登場している。
 セル生産が注目されるようになった背景には、「消費者ニーズの多様化」と「大量生産拠点の海外流出」などがあるだろう。1990年代以降、携帯電話やAV機器、パソコンなどの分野ではモデルチェンジが頻繁に行われるようになり、BTOCTOなどのビジネスモデルが登場し、多様化する消費者ニーズに即応する工場が求められるようになった。従来の大量生産は、短期化するプロダクトライフサイクルを持つ製品の生産には向かず、“生産単価の引き下げ戦略”を目指しても海外とコスト競争に勝ち抜くだけの生産性向上が求められる。そこで国内製造業は市場に近いというメリットを活かして、市場ニーズに合った製品をすばやく提供する体制を構築するため、セル生産に取り組んでいる。
 国内では特にキヤノンがセル生産方式を積極的に採用しており、熟練作業員に対する「マイスター称号制度」を確立するなどの取り組みを行っている。