2018年12月8日土曜日

10年間1回戦負け、部員5人、奇跡の甲子園出場、白山高校

「あれは夢やったんかな……」

周りに音がないからか、金属バットが硬球を叩く音が余計に響く。四方を見回すと、視界をさえぎるものは白い校舎と小高い山くらい。この町で生まれ育った野球部コーチの諸木康真さん(37)は、赤く染まりつつある広い空を見上げてこう言った。

「夜になってこの辺りの明かりが消えると、星がブワ~ッと広がってきれいですよ。これだけは自慢できますね」

「夢」というのも無理はない。野球部の東拓司監督(41)が今から5年前、2013年に赴任したとき、野球部員は5人。試合を組むこともままならず、グラウンドは雑草で荒れ放題だった。東監督が当時を振り返る。

「外野にはスネくらいの高さまで草が生い茂っていたので、まずは草取りから始めました。雨が降って土が軟らかくなる日に耕運機で地面を耕して、鉄のレーキ(土を整備する器具)でならして。ゼロどころか、マイナスからのスタートですよ。(ピッチング)マシンも壊れて使えないから、コーチがバッティングピッチャーをやって練習をしていました」

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